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2011年5月15日日曜日

菅首相の決断、「子ども」と「大人」どちらが賢いのか?

@@@やまねこ通信79号@@@


菅首相が、日本のエネルギー政策を白紙に戻すと発表したことに対し
「子ども」の考えであるとして、批判する者たちがいる。


従来のエネルギー基本計画では、2030年には原子力50%と想定していた。
これを太陽光、風力発電など再生可能エネルギーでまかなうこと、
それに省エネ社会を実現すること。


この二本柱を軸にして、新しく議論を開始するとの表明だった。
菅首相のこの方針に対し、やまねこは大きな拍手を送りたい。




ところで菅首相の決断を「子ども」の考えと批判する者たちは、いったい
何を考えているのだろう。




東電福島2,3号機もメルトダウンした可能性、1号機建屋の地下に
汚染水が3千トン漏れ出していることを、ようやく東電が認めた。


震災直後の水素爆発は避けられたのに、廃炉に導かれることを恐れ、
海水注入をためらった東電社長。


爆発のため、放射性物質が散乱、回復作業が困難になっている。


すべて、脱原発の学者、京大助教小出裕章氏が、2か月前から予測、
警告していたことばかり。


これが大人たちの選択である。


菅首相はその前に、中部電力浜岡原発の停止を要請した。
数日の躊躇の後、中電はこの要請を受け入れた。
差し当たり、防潮堤が完成するまでの2~3年間ではあるけれど。 


活断層が地震の原因であることが地震学界の共通認識となったと同じ年、
地質の問題を顧みることなく、計画通りに建設された古い原発、浜岡原発。


東海地震が今日、明日起っても不思議ではない。
浜岡原発が大地震に見舞われたら、放射性物質を乗せた大気は首都圏を
覆いつくし、日本は機能が麻痺、あるいは死滅するだろう。


ここまで警告されているのに、今度の菅首相の緊急要請まで、3・11以前の
計画を自動機械のように推し進めるはらだった中電。




「大人たち」はどうしてこうなのだろう。


利益を生みだす企業という名の自動機械。
四半期の利益、前年同期との比較。3か月ごとの会計数値で頭の芯まで
染め上げられた企業経営者たちは、自動機械を停止し、企業利益の減少を
招く時は、責任主体である自分の地位が消滅することを分っている。


東電に賠償責任なしと、お友達擁護の発言をした笑止の人物、
日本経団連会長、米倉弘昌などはその最たるもの。


財界、学界、経産省官僚組織の者たちは、現在の体制から利益を
受けているから、新しい現実を、あらゆる力を総動員して、ねじ伏せようとする。




結局こういうことではないか。


菅首相の決断を「子ども」の考えと批判する「大人」たちは、この国の市民の
生死、子どもたちの未来と、今の自分の支配的地位、年収の天秤にかけた時、
どちらが大切と選びとるのだろう。


もちろん、自分の地位と収入が大切である。
これが「大人たち」の正体である。


利権を、もっと、もっと、むさぼりたいと、ゾンビーのように墓場で札束もとめて
手を伸ばしす「大人たち」が、依然として、政策決定の座にあぐらをかく、
裸の王様の国、わたしたちの生きるこの国。


これこそ、「少子化」現象と呼べるのではないだろうか。




ところで、途方もない大きな夢を語る人物は、兼ねてからこの国では、
「子ども」と呼ばれていた。


脱原発を唱える人々は、この国では「子ども」であった。




もう一人の「子ども」、ソフトバンク社長孫正義の目からウロコのプレゼンでは
ツイッターでの原発の是非を問う投票の結果、原発を今後も現状維持
あるいは拡大と答えた人々が、僅か4%だったと報告されていた。


別のメディアではまた違った数値が出ているかもしれない。
けれど、4%が原発反対と知って、この国に、「子ども」が増えたと
やまねこ思った。




市民運動という「子ども」たちの活動家だった菅直人。
薬害エイズ隠しの厚生省を、市民の力を味方にして、徹底追求した菅直人。




菅首相の考えが「子ども」であるなら、「子ども」あるいは「女・子ども」という
呼び名を、名誉の呼び名として選びとろうと、やまねこは思う。


「子ども」と「大人」はどちらが賢いのか?


王さまが裸であることを声に出した子ども。
この子どもたちの側にしか、未来はない。
もっと、もっと、「子ども」が増えるといいよね。


皆さまのお考えはいかがですか。
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無記名でもかまいません。


うらおもて・やまねこでした。

2 件のコメント:

  1. 女・子ども・そして年寄り
    大人の条件は?
    人は偉くなくても良いのでは?

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  2. コメント有難うございます。

    魔女とか、やまんばとか、あやしい魑魅魍魎の跋扈する世界にようこそ。

    「大人」というのは、すでに特権を獲得し、そこから得られる利益の追求に骨の髄まで浸かりきり、その外にある世界が見えなくなった状態のこと。
    社会的機能だけの状態。
    巨大な予算を注がれたばかりに、スポンサーに忠誠をつくす他ないご用学者たちも同じ。

    女、子ども、年寄りなどの偉くない人々は、自分の小さな暮らしを立てればいいし、失う特権がないから、自由に世界を見ることが出来る。

    こうした自由な状態を、ここでは「子ども」と呼んでいます。

    やまねこでした。

    返信削除