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2011年8月2日火曜日

県職は「慣例を見直そう」、女たちは場数を踏もう

@@@@やまねこ通信119@@@@

茅野市にとって画期的な「みんなのエネルギー・環境会議」第一回
と、「自然エネルギー信州ネット」設立会議の模様が長日、信毎、
毎日に報道された。

長日の紙面が最も大きかった。どの新聞も菅首相の写真を掲げ、権
力の「中心」が一瞬茅野市に滞在したことに対しうれしそうに紙幅
を割いている。

一方、どの新聞も、「自然エネルギー信州ネット」設立会議が長引
いた理由を伝えてはいない。県の作成した理事の候補名簿に女性の
数が11分の1だったため、今後公募したらどうかと提案があり、あ
わてて1名を追加した出来事のことである。


この時発言したやまねこに対して、励ましの言葉やメールが寄せら
れた。

自分も同じことを思った。言えたら良かったという女たちの声であ
る。こう感じた女たちは、次の機会にきっと発言するであろう。こ
のためには場数を踏んでゆく必要がある。

前期高齢者にして発展途上のやまねこ、自分の経験に鑑みてこのこ
とは保証できると、すべての女たちに呼び掛けたい。こうした女た
ちが増えて行けば、この国はきっと良くなるに違いない。

また環境会議・諏訪の塩原俊さんからは、次のようなメールが寄せ
られた。

「役員は、県が決めたものだと思います。確かに全面的に男性ばか
りでしたね。県からは女性の課長がただひとり、これはあきらかに
「お飾り」でしょうね。女性副知事も「お飾り」だったのでしょう
か」。


このスキャンダルともいえる「全面的に男性」名簿を作った行政の
失態は、報道されないままであり、現場にいなかった市民には知る
由がない。メディアが県職をかばっているのだろうか。そのことで
どんな利益が誰にもたらされるのだろう?

ところで塩原さんの語る通り「お飾り」だとしたら、悲しい話では
ないか。村井前知事の後継者を任ずる自民党推薦候補に対抗して、
反自民の阿部知事が僅差で当選したのは、丁度1年前の暑いさなか
だった。公約だった女性副知事が3月11日、ようやく就任したば
かりの長野県なのだ。



副知事は、「慣例を見直そう」と全県下に呼び掛けている。ところ
がその足もとの県庁で、男女のバランスを顧慮しない人選がなされ
ていたことが判明したのである。県庁の担当部署に対して副知事の
呼び掛けが届いていなかったのだろうか。それとも、届いても無視
していたのであろうか。

でなかったら、長野県庁職員は、自動機械のように同じことを繰り
返すだけのブリキの兵隊なのだろうか?そのことで誰の、どんな権
益を守っているのだろうか?

加藤さゆり副知事は、慣例の見直しに関してこう語っていた。地域
の団体で、女性がおもに活動しており、メンバーも圧倒的に女性多
数なのに、会長だけ男性にする慣例があれば、それも見直すべきで
ある。

「自然エネルギー信州ネット」の協力団体名簿を見ると、環境関連
市民団体の代表が圧倒的に男性の名前になっている。

男性の方が、社会的に強い肩書を持っている。その肩書を団体や組
織に活用したいというのは、分りやすい論理である。

けれど、この論理を推し進めるなら、社会の公職に男性が多く就く
ばかりでなく、任意の市民団体の代表にもダブって男性が多い現状
の改まる切っ掛けは、永久に来ないのではないだろうか。

実態ははたしてどうなのだろう?女性と男性のメンバーの数、実働
の割合はどうなっているのだろう?今後、県でその実態を調査する
必要があるのではないだろうか。

会長、代表などの肩書が大好きな男性たちが、抵抗をすることは、
容易に想像できる。この足もとの抵抗が、実は最難関ではないか。

県職が動かない理由も、同じことではないか。以前なら黙っていて
も降って来た管理職が、半分、女たちに持って行かれてしまう。男
性たちの戦々恐々は生易しいものではないだろう。このために折角
の加藤副知事の政策が生かされないのではないか?こうやまねこは
考えている。

けれどこの内部の抵抗に行政が腰砕けになったら、新しいエネルギ
ーなど実現できるわけがない。これが改まらなかったら、東日本に
大きな打撃を与えた「第二の敗戦」の出発点には立つことが出来な
い。

最難関を越えたら後は比較的速やかに進むとやまねこは確信する。

加藤さゆり副知事、がんばってくださいね。応援してますよ。
皆さんも、加藤副知事に、応援のメールを送りましょう。

県知事宛てのメールアドレスに、加藤副知事と書いてください。 
governor@pref.nagano.lg.jp


私信を無断で引用し、ご迷惑をお掛けしたことをお詫び
します。そのため一部訂正したことをお断りします。



うらおもて・やまねこでした。

「ひとつの生き方」、女たちが職業人として生きること

@@@@やまねこ通信118@@@@  

先程、11時58分、駿河湾を震源とするマグニチュード6.1の地震が起
こりました。やまねこの家では、下から突き上げる強い揺れを感じ
ました。揺れはそれほど長くは続きませんでした。すぐにテレビを
つけたところ、長野県では松本、諏訪、茅野が震度4でした。静岡市
の一部区域が震度5を記録しました。
皆様の地域ではいかがでしたか?

問題の原子力保安院の発表によれば、御前崎の浜岡原発では地震後
も変化が起こっていないとのこと。すべての原子炉が休止中で、本
当によかったと思います。

こうした地震が起こるたびに、経産省、電力会社が原子炉を再開す
るために国民に説明する理由が、どんどん失われてゆきます。
いったい何回、あなた方は、フクシマを招きたいのですか?

● Mかずこさんの「ひとつの生き方」 
なでしこジャパンが優勝した頃、やまねこブログの愛読者、Mかず
こさんからメールが届いた。かずこさんはやまねこと同じ富山市に
生まれ育った。東京の大学で学び、建築専門家の道を歩んだ。

2年前、友人の画家の主宰する絵画教室の展覧会が新宿駅南口のギ
ャラリーで開かれ、やまねこは初日のパーティに招かれた。会場
陳列された作品を眺めるうち、1枚の絵の作者の名前に眼が止まっ
た。

見覚えある名前だ。中学1年下の生徒の名前と同じではないか。友人
に確かめると、作者は目の前にいる女性だった。出身を尋ねたとこ
ろやまねこと同じ中学高校を出た同一人物であることが判明した。
それがMかずこさんであった。

東京都下のT市に住むかずこさんが小淵沢付近に山荘を所有してい
るところから、その後同じ学校を出た妹のたかこさんも共に交流が
始まった。かずこさんはシングルでご両親を富山から引き取った。
今は80代後半の母上の住まいを妹のたかこさんと手分けして週に幾
度か訪問している。

建築という力仕事を伴う男性中心の世界、やまねことは違った現実
の中に生きたかずこさんは、生涯にわたる職業人であるけれど、男
女平等ということに対して、やまねことは別の考えをもっている。
そのことをかずこさんは書き送ってくれた。

《 ひとつの生き方 》
私は現実問題として、男社会の中に身を置いて仕事をしているわけ
ですが、基本的に男女平等は絶対にあり得ません。
しかし、男では出来ないであろう部分を探りながら、生きてきまし
た。

私は、高校までは男女共学、その上は女子だけの世界の教育を受け
ましたが、女子大に行って何を最初に感じたかというと、学園内の
ありとあらゆることを、ここでは全て女子の手で行うのだという実
感でした。

それまでは、なんとなく男子に頼っていた(前身が旧制中学で、生
徒数の2/3は男子という高校)状況が一変したことが、ささやかな
驚きでした。上級生は、本当に頼もしかったです。

一方で、学外に出ると、そこは完璧な男社会、良くも悪くも男子に
頼らざるを得ないわけで、しかし、それはそれで、なんとなくその
世界に浮遊しながら、生き延びてきました。

私のように小さな体の女は、決してまともに体当たりすることはで
きません。でも、でも、男が出来なかった仕事をやりおおせるとい
うことの密やかな快感は、幾度も味わうことが出来ました。

がちがちの男が、刀折れ、矢尽き、ぼろぼろになって去っていった
後始末を、結局私がしたことがあります。男が力で押し切ろうとし
ても出来なかったことを(それは理屈や力ではなかったのです)、
相手をなだめすかし、「これはこうやらなくちゃうまくできないわ
よ」などといいつつ、何とか業務を終えさせたこともあります。

ただそれは女の勝利として認められるわけではなく、ただ私が生き
ていく道だったわけです。

今は男女一緒になってあるグループを作っています。男たちは、な
んだかんだえらそうなことを言っても、実際に動こうとしないずる
さがあります。そんな男たちをかわいいものと見て、おだてながら
私たち女が都合のいいようにやらせて行くのも悪くはありません。

ただここでいえることは、私の周りの男子が、社会一般の中では比
較的(かなり)リベラルだという幸運に恵まれたことでしょうか。

これは親に深く感謝しなければなりません。父は、戦後の社会で戦
争未亡人になって、色々苦労したり、苦海に身を沈めなければなら
なかった人たちを見て、これではいけない、女にも手に職を就けさ
せなければならないと、真剣に思ったそうです。そんな親を持った
ことも私の幸運かもしれませんが

これからも私は、ごまめの歯軋りをしながら、漂って生きていくこ
とでしょう。多分私の妹もそうです。そういう生き方もあるという
お話。 
ではまた。(以上)

やまねこは次の個所に心を打たれた。
「父は、戦後の社会で戦争未亡人になって、色々苦労したり、苦海
に身を沈めなければならなかった人たちを見て、これではいけない、
女にも手に職を就けさせなければならないと、真剣に思ったそうで
す」。

これを読んで先日講座で語り合ったばかりの『白い野獣』という成
瀬巳喜男演出の映画を思いだした。作品では職業訓練が売春経験を
経た女性たちの「更生」の柱だった。身を売る必要がないように職
業を身につけること。

● 女たちが職業人として生きること

やまねこも職業人として自立することが人生の目標だった。結婚し
なくてもいいように。それほどにも、やまねこにとって、結婚の道
はどうあっても避けたいものだった。母や親族、知人の家族を知れ
ば知るほど、結婚する女性たちの気が知れないと思うようになった。
その生き方や考えは、ずっと理解できないままだった。

かずこさんの書くような意味では、やまねこは職業において男の力
を必要としたことはない。けれど業務はさておき、求職する際には、
男性である恩師や知人との交流がすべてであった。女が女を紹介す
という関わりは、やまねこの業界では、30年前はほとんど皆無だ
た。

この10年ばかり、各地の女たちと交流し話を聞く機会が増えた。す
るうちに、様々な女たちの生き方が見えるようになり、その生き方
が大切なものと思われるようになった。それにつれてさまざまな女
ちと会話することに興味や関心が高まった。

今は、家族や結婚を描いた成瀬巳喜男の映画に最も関心がある。成
瀬巳喜男の映画を見ること、さらに原作の林芙美子、幸田文をはじ
めとした明治以後の女たちの文学作品を読むことは、女たちのなす
すべない生き「ごまめの歯ぎしり」の続く運命に対して、逃げ
ることなく向き合うことであり、祖母や母の世代の女たちと対話す
ることであり、その喜怒哀楽を追体験することにつながっている。

これがどんなものであったを書きとめる仕事は、すべて今後に掛か
っている。

うらおもて・やまねこでした。


2011年8月1日月曜日

菅直人首相茅野に「みんなのエネルギー・環境会議」、「自然エネルギー信州ネット」理事、女性割合11分の1!

@@@@やまねこ通信117@@@@


  菅直人首相茅野に、
7月最後の日曜の昨日、茅野市の諏訪東京理科大学で、「みんなの
エネルギー・環境会議」が開かれた。
3.11を受けて、今後の日本の方向付けをどうしたらいいのかを徹底的
に論じ会う会議だった。

「原子力」「再生可能エネルギー」「政策決定」「ライフスタイル」
とのテーマで、それぞれ一時間余りのセミナーが開かれ、それぞれ
10人以上の登場者が発言した。

環境会議・諏訪代表塩原俊さんのno-genpatu MLへの寄稿によれば、
「これは「飯田哲也」や「枝廣淳子」が「菅総理」の意を受けて、
政府の「エネルギー環境会議」の市民版をたちあげたという、格好
になっている会議でした。民主、社民、みんなの党は入っているが
自民党、共産党は外されている」とのご指摘。

「再生可能エネルギー」の時間に内閣総理大臣菅直人氏がゲスト出
演した。薬害エイズの書類隠しをした厚生省の前例と、今回の原子
力保安院の「やらせ」は官僚機構の同根の問題だと発言した。

首相が登場するため、会場の400人収容可能の大教室には多数の
取材陣のほか、10人位のSPが要所に立って緊張した雰囲気にな
った。菅首相は20分発言し、1時間のセミナーを聞いて退場した。

社民党の福島瑞穂党首は「原子力」のテーマに登場。長野県の阿部
知事はすでに自然エネルギーの開発を宣言している。午後2時半開
始の【再生可能エネルギー】のセミナーの発言者の一人として長野
県の取り組みを紹介した。

会場の議論はUstreamがリアルタイムで配信した模様。
今朝の新聞は長野日報が一面で取り上げている。信濃毎日、毎日新
聞も首相発言を掲載している。

【みんなのエネルギー・環境会議】の発起人(50音順)
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)/枝廣淳子(幸せ経済社会
研究所)/岡田武史(日本サッカー協会)/橘川武郎(一橋大学)
/小林武史(APバンク)/澤昭裕(国際環境経済研究所)/澤田哲
生(東京工業大学原子炉実験所)/吉岡達也(ピースボート)/吉
岡斉(九州大学)

発言者:
小林正弥(千葉大学法経学部教授)飯田哲也(環境エネルギー政策
研究所) 植田和弘(京都大学)海渡雄一(弁護士)澤田哲生(東京
工業大学原子炉研究所)ミランダ・シュラーズ(ベルリン自由大学)
橘川武郎(一橋大学)阿部守一(長野県知事)工藤拓毅(日本エネ
ルギー経済研究所)山岸尚之(WWF)今井一(ジャーナリスト)
田中信一郎(環境エネルギー政策研究所)澤昭裕(国際環境経済研究
所)保坂展人(世田谷区長)宮台真司(首都大学東京)平島安人
(自然エネルギー信州ネット)落合真弓(福山市議会議員)金子勝
(慶應大学教授)藤沢久美(ソフィアバンク)福島瑞穂(社民党党
首)藤野純一(国立環境研究所)

全体の司会は枝廣淳子さん(幸せ経済社会研究所主宰)。
それぞれのテーマでの討論会の終了後、会場に向かって、意見の違
いそうな人々4~5人の意見交換を提案した。この後、意見を記入
するシートに書き込んで提出する仕組みである。見知らぬ人々と会
話が弾んで面白い取り組みだと思った。

10時半から19時まで、休憩をはさんで10時間になんなんとす
る会議だった。それぞれ内容の濃い充実した会議。
特に諏訪理科大会場は、付近にはお茶を飲んだりする場所がないた
め、休憩時間も交流が続いた。これは主宰者側の意図しない収穫だ
った模様。発言者も見知らぬ人々と討論の機会を持った参加者も、
心地よい疲労の中、考えるテーマを抱えて帰途に着いたことであろ
う。

  「自然エネルギー信州ネット」理事素案、女性割合11分の1 !
さて、別教室では、「自然エネルギー信州ネット」設立総会が10
時半に開始した。やまねこは諏訪湖クラブのたみさんから連絡を受
けてせいたかさんと出席。

長野県環境部で素案が作られ、会場で承認を得て行く手続きが進行
する。茅野實氏が進行、議長役。理事を選ぶ段階になった。すでに
候補の名前が11人プリントに記されている。環境関連組織の代表
や研究者の男性たちの名前が並んでいる。県庁環境部の課長だけが
女性だった。

女性の割合11分の1。下準備をした県庁の環境部始め、このこと
を誰もおかしいと思わなかったのだろうか?
まるで戦前の日本みたい!
女性副知事加藤さゆり氏が就任したというのに。

3.11以後の「第二の敗戦」以後、社会を市民の側に取り返し、「人
と人の関係」を新しく作り直さねばならないと考えるやまねこ、こ
れを見過ごすことはできなかった。

挙手して、このことを述べ、女性が少なすぎることを指摘。これを
聞いた議長の茅野實氏、「良く分ります。どうか、あなたが会長に
なってください」と回答した。

こんなことを言われて、「はいはい」と女が喜んで入って行くと思
のだろうか。女を軽く見た典型的な回答であることに男性議長は
づいてさえいない。

絵にかいたような伝統的ジェンダー墨守男性社会の対応である。
一見、女性を取り込む理解力、許容力があるようにリップサービス
する。「あなたこそふさわしい」。女をほめちぎって組織の責任あ
る地位に着けるかの言葉を発する。
けれど男性ホモソーシャル社会が協力を怠り、女たちの失敗を待つ
という使い古された戦術を連想させる発言だった。

やまねこは答えた。「私の発言の趣旨は、女性の割合が少なすぎる
と言うことでした。ここに出席していない力ある女性たちがたくさ
んいるだろうから、公募したらどうでしょう」と提案。

けれど設立総会の今の内に決める必要がありそうだった。
まねこは登録団体の名簿に名前の載っている女性のMさんを推薦。
環境運動経験あるMさんなら適任だ。素案に入っていてもよかった
メンバーだ。結局その案が会場で承認された。

11分の1だった女性が12分の1、つまり6分の1になった。これで喜ぶ
のはまだ早い。これからはどんな時でも、女性割合を人口比に近付
けてもらいたいものだ。原子力であれ、自然エネルギーであれ、
「モノ」が変わっただけでは、社会は少しも変わらない。

組織が変わらなければ社会の民主化は進まない。市民を構成する男
女の比率とあまりにもかけ離れた理事会メンバーの男女比では、長
野県のエネルギー政策の決定に、女性が参加していないことになっ
てしまうのだ。

設立会議が終わって、やまねこは何人もの女性、男性から「言いに
くいことをよくいってくれた」と声を掛けられた。理事になった男
性メンバーからも女性参加の発言に対して感謝のことばが寄せられ
た。

こうした発言で浮き上がったことが一度や二度ではないやまねこ、
少し胸をなでおろした。

うらおもて・やまねこでした。