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2018年4月1日日曜日

やまねこ通信392号「なぜ日本で「#Me Too」が広まらないの?」『婦人公論』座談会・奈良橋陽子、小島慶子、ハリー杉山


@@@やまねこ通信392号@@@

「なぜ日本で「#Me Too」が広まらないの?」『婦人公論』
座談会・奈良橋陽子、小島慶子、ハリー杉山

セクハラ・性暴力は放置できない。女たちのこの思い
が静かなうねりとなってじわじわ日本でも広がってい
る。

首都圏、関西圏では集会、セミナーは頻繁に見つかる。
けれど、地方ではなかなか開かれない。
地方では起こってないから?
いいえ、起こっているのよ。でも周囲に相談する人が
おらず、声を上げることができず、イヤな言葉だけど、
「泣き寝入り」するしかない。気づいた人々も向き合
うことを避ける。だから「見えない」まま。

実はセクハラ・性暴力は、アンテナたててないと、見
えてこない「犯罪」です。
自分自身、子ども、孫たち、その友だちが被害者にな
って初めて気づく人が多い。そんな時、どうしたらい
いのだろう。

▲やまねこの仲間たち、ちの男女共生ネットは、
「#Me Too、#We Too」の勉強会を開きます。

セクハラ・性暴力の実態はどうなの?被害者支援体制
うなってるの?何が求められているの?

4月22日(日) 午後1時半~4時半
会場:茅野市家庭教育センター
391-0002 長野県茅野市塚原1丁目9−16
問合せ: 0266-71-6633(ちの男女共生ネット) 
参加費:300円(会員無料)

「これでは 女子は 羽ばたけない
Me Too私たちの身近で起こるセクハラ・性暴力!
――#We Too被害者、加害者、傍観者にならない」

講師は三隅順子さん。被害者の側に立って支援をし、
支援する看護師さんを養成する頼もしい女性。
 
三隅順子さん。1965年生まれ。千葉大看護学博士。
助産師として長野日赤での勤務歴があります。現在、
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科講師。家
族は夫婦別姓パートナーと5人の子。

20代の頃友人のDV被害体験に遭遇。日本の支援体制
が整っていないことを知り研修などで学ぶように。
その後、NPO女性の安全と健康のための支援教育セン
ターで性暴力被害者支援看護師養成講座を担当する
など活動を開始。

ちの男女共生ネットの仲間たちが勉強会の準備をする
うち、アンテナ高い仲間から連絡がありました。

現在書店に並んでいる『婦人公論』3/27号にこんな記事
が出てるよ!

「ハリウッド発のセクハラ撲滅運動
座談会 なぜ日本では「#Me Too」が広まらないのか」

やまねこは早速書店で買い求めました。
私たちの活動に、うってつけ、ドンピシャの記事だった!

こり:うひょ~!

記事を読み、これはいいと思った箇所を、書き出してみ
ます。全部で5ページの記事の内横線を引きたいところ。

こり:少~し長いけど、あっという間に読めるよ!終わ
りまで読んでね。こりが出てくるよ。

▲座談会:出席者
奈良橋陽子(キャスティングディレクター)、
ハリー杉山(タレント)、
小島慶子(タレント、エッセイスト)

前置き:アメリカ映画界の著名プロデューサーが多数の
女性たちに対してセクシャルハラスメントを働いていた
ことが明らかになった。昨年2017年秋のこと。女優
アリッサ・ミラノが「私も、と声をあげよう」とツイッ
ターで呼びかけた。これが「# Me Too、私も」運動の始
まりだった。同じような被害を受けていた女性たちがツ
イッターで「Me Too、私も!」と声をあげる。動きは世
界中に広がっていった。ところがこの日本では、声を上
げることはまだ社会的な動きにはなっていない。なぜだ
ろう。

こうした運動がなぜ、ハリウッドで起きたと考えますか?
奈良橋:ハリウッドは大変特殊な場所で、ここで有名に
なることは、世界中で有名になることを意味している。
だから生き残りをかけた闘い、権力闘争が一般社会の比
ではない。だから決定権をもった者に対して一俳優、一
スタッフはとても声をあげることができない。

奈良橋:こういうことがおきたのは、男女問わず、皆が
無言を通したいという考えだったから。

小島:残念なのは、これが反男性運動だと勘違いしてい
る人がいること。そうではなく、ハラスメントに対する
NO、暴力に対するNOを突きつけているのだ。

ハリー:11歳からイギリスの学校に通った。週一回、
性感染症やエイズ、ドラッグの危険性やセクシュアルハ
ラスメントについての授業があった。日本でも若い時か
らもう少し敏感にアンテナを働かせる機会を作るべき。

奈良橋:日本の演劇学校に通っていた19歳の時、高名
な演出家に「俺と一緒に過ごせば役をやる」と言われた
ことがある。
気が弱かったり、きっぱり断れなくて泣き寝入りする人
もたくさんいると思います。今回のように大勢の人が賛
成するムーブメントになれば、声を出せるようになる。
「許しがたいことをされた時、黙っていてはいけません」

小島:力の差があるところには、本人に意図がなくても
ハラスメントは発生しうる。そのことに、力を持つ立場
の人が自覚することは大事ですよね。

小島:イギリスの警察が2015年に公開した動画。「性的
なことはお茶と同じ。飲みたいと言ってない人に、無理
矢理飲ませてはいけないし、飲みかけでもやめるといい。

小島:相手の合意があったうえでのみ、身体的接触は成
立しうるということは基本中の基本。

ハリー:「#Me Too」のムーブメントを見たとき、これは
日本で広がるだろうかと思った。詩織さんのことを、BBC
フィガロ、ルモンドなど世界的有力メディアが大々的に取
り上げている中、日本のマスコミはなかなか触れなかった。
なぜ日本で広がらないかを、海外メディアが取り上げた。

奈良橋:教育の段階から、ただ黙って受け入れるだけの姿
勢を少しずつ変えていかなければいけないと思う。
 
小島:仏女優、カトリーヌ・ドヌーヴは「レイプは犯罪だ
が、口説いただけででもセクハラだと訴えられるのは行き
過ぎだ」と主張した。この発言はバッシングされた。けれ
ど、「#Me Too」をめぐって女性が分断されること。それは
不毛で、誰のためにもならない。

ハリー:被害者は女性だけじゃないんですよね。イギリス
の男子校の寮では、入寮初日に儀式的なハラスメントみた
いなことをされた。ところが自分が最上級生になったとき、
それが廃止されていた。「俺はやられてのになんでしない
んだよ」と思った。けれど、20年たって、あの時の自分
は恥ずかしいと思う。

小島:そこが多分男性が「#Me Too」に対して発言しにくい
部分ですね。自分もやる側に立ったことがあるから。男の
子同士でふざけてパンツを脱がせて大笑いしたなとか、そ
んな経験を誰でもしてる。

小島:聖人君子しかハラスメントについての意見を述べる
ことができない。こんなんだとしたらほとんどの人はモノ
を言えなくなります。「今まで見て見ぬふりをしてきた私
たちが変わろう」ということが重要だと思う。

ハリー:「イネイブラー」という言葉があります。可能な
らしめる人。これは何もしないことで、結果的にハラスメ
ントに協力してる人たち。たとえばアメリカ体操協会の元
医師、ラリー・ナサールが女性選手にセクハラをしていた
件では、彼の行動を黙認していた関係者がけっこういたと
言われています。指摘すると自分の社会的地位が揺らぐの
で、見て見ぬふりをする。そこにも罪はある。

ハラスメントに寛容な文化にNO
小島:女性が性的被害を告発すると、必ず「女性にも非が
ある」と責める人が出てきます。詩織さんの場合も、売名
行為だといわれるなどさまざまなバッシングを受けている。
彼女の提言で重要なのは、性暴力の支援体制の整備。たと
えば今晩、帰り道で自分が性的な被害にあったとしても、
日本ではきちんとした支援を受けられる制度がない。そん
な国でいいのかという問題提起ですね。

ハリー:その通りです。少なくとも専用電話で24時間対
応することは絶対必要です。ちゃんと女性の係員に相談で
きて、男性の警察官の前で、セカンドレイプのようなかで
何度も事件時の状況を再現させられることのないようにす
るのは、必須だと思う。イギリスではそういう制度が整っ
ています。

小島:スウェーデンにも、24時間、性別にかかわらず被
害に遭ったら駆け込めるレイプ緊急センターのようなとこ
ろがあるそうです。日本でもそのような、レイプキット
(証拠採取のための道具一式)を備えた医療機関を各自治
体に作る必要がありますね。

奈良橋:アメリカ、国連でもホットラインができています。
最近ではアメリカのシネマコンプレックスでもホットライ
ンを紹介しています。そこでは同性によるセクハラ、未成
年者の相談にも乗ってくれます。

小島:日本では性暴力の被害件数が少ないと言われていま
すが、実際に被害が少ないというより、声をあげられず泣
き寝入りする人が多いとの指摘もあります。

小島:詩織さんは、被害に遭った人が支援もなく置き去り
にされている現実を知ってほしいと、書作の中でも述べて
いますね。制度の不備だけでなく、性暴力被害について女
性が語ることがタブー視されていることも、泣き寝入りを
ふやす原因になっていると思います。

奈良橋:日本でなぜそれができないかというと、教育のほ
か、文化のせいもあると思うのです。女性は我慢すること
が美徳という風潮があって、これが問題。

ハリー:僕もそう思います。日本の文化は、忍耐というも
のをある意味、美化しすぎている。でも理不尽に対して声
を上げるのは、社会のためにも大事なこと。ところが日本
ではそうやって注目されると、被害者がまるで加害者みた
いに扱われることもある。

小島:日本はテレビの世界でも、女性の役割って「ニコニ
コしてる若くて可愛い女性」か「毒舌なおばさん」のどち
らかで、中間がない。オーストラリアの女性キャスターは
首相相手に話をしていても、必要があれば相手をさえぎっ
て自分がしゃべります。でも日本ではそれをやると生意気
だとか失礼だとか言われて叩かれる。家の中でも学校でも、
自分の言いたいことを主張し、意見の違う人と正面から議
論する女性を見る機会が本当に少ない。

ハリー:おっしゃる通りです。女性でも主張するべきこと
は主張できるような社会にするためには何が必要だと思い
ますか?

小島:まず「耐えてなんぼ」という、ハラスメントに寛容
な文化にNOということが大事だと思います。人権を尊重す
るとはどういうことかを考える習慣をつけること。子ども
たちに、「あなたはNOと言っていい」「他者への敬意を」
と教えることから世の中が変わると思います。

奈良橋:「#Me Too」をきっかけに、私たちは「聞く」力の
大切さを知ったと思います。声をあげることのっできない人
たちをどうやって支援してゆくか。いかに勇気をもって不正
をただす発言をし、行動してゆくかこれからの日本の子ども
たちにとって大事なことなのだと考えます。そして私たちは
彼らを、人間の権利、尊厳、生命そのものを尊重できるよう
な大人に育ててゆく責任があると思います。
(以上、要約終)

▲これを読むと、「性暴力」に立ち向かうことが、何も特別
なことではないことが分かるよね。

自分の人権を大事にすること。そのことを、若い世代、子ど
もたちに伝えてゆくこと。

いまだに、女は自分の意見が言えない社会。これが私たちの
生きる社会です。
発言すると非難される。曖昧に笑ってすませる。それが無難
である。

このような社会はイヤだ!発言する人々を非難することをや
めよう!

こり:ちの男女共生ネットの中で、このことが、実行できた
らいいだろうね!

やまねこ:今「森友問題」という名で、この国に恐ろしい政
治腐敗が起こっている。セクハラ・性暴力を許さない姿勢は、
政権の横暴を見逃さない姿勢と同じなんだ。

こり:終わりまで読んでくださってありがとう。
   どう思った? 

やまねこ:よろしかったら、コメント、やまねこへのメール
を送ってくださいますようにお願いします。


こりでした。
うらおもて・やまねこでした。