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2013年4月27日土曜日

やまねこ通信269号 男女平等にするために憲法改正が必要か?ちの男女共生ネットに向けられる勘違いのかずかず


@@@やまねこ通信269号@@@

憲法改正と男女平等、ちの男女共生ネットに向けられる
勘違いのかずかず

土曜朝のNHK番組「憲法改正・・・」。
司会はためしてガッテンで志の輔と共に出てくる小野文
恵アナウンサー。

安倍首相は言う。
「外国は何度も憲法を変えてきた。日本は憲法を変えに
くい仕組みだ」

はたしてその通りかをNHK記者が検証。
たしかに、戦後57回憲法改正したドイツを筆頭に、改正
を重ねた国が多い。

けれど、変更の理由は、議員歳費変更など、小さな項目
である。これが憲法に定められていたというのは、疑問
の余地ありとも考えられる。

次に、「日本は変えにくい仕組み」との説については、
諸外国も、国会と地方議会の2段構えでどちらも過半数
あるいは3分の2の賛成を取る必要があるから、事実と
は認めにくい。

この中で、イタリアが「男女平等の制度」を導入するた
め憲法を変えていることが判明。

●やまねこは、これまで幾度か、質問を受けてきた。
「男女平等にするから、憲法改正すると言われたら応じ
ますか?」

憲法改悪の切り口に女を利用し、その結果責任を女たち
に負わせようとする勢力のあることを、この質問がほの
めかす。

やまねこは答える。
「男女平等のために、憲法を変える必要はありませんよ。
今の憲法は男女平等を保証してますから。
すでに雇用均等法が施行され、1999年に男女共同参
画基本法が制定されています。
今の憲法下でそれが可能だったんです。
この国の問題は、制定された法律が守られないところに
あって、守らなかった場合の罰則がないところにあるん
ですよ」

質問した男性の多くは、男女共同参画基本法が制定され
ていることも知らないから、二の句がつげない。

このような質問をする男性の多くは、非常に高度な知性
を必要とする職業の経験者たちである。そうした男性が、
この程度の質問をするほどに、女性の置かれた実情に疎
いことが、この国の悲しい現状を示している。

●もうひとつ、右寄りの方々から投げられる意見はこう
である。

「男女平等は、大騒ぎしなくても、やがて実現しますよ」。

このような考えは、「発展主義」という。
(石田雄『社会科学再考・敗戦から半世紀の同時代史』
東大出版会、1995年参照)

実は、女性差別撤廃のフェミニズムの運動が起こったのは、
1970年代、世界で最も資本主義的に発展した米国だっ
た。

資本主義的産業の発展が、男女平等を自動的に担保するこ
とがないのは、米国の歴史を少し顧みればわかることであ
る。米国では、女性大統領もまだ選ばれていない。

もうひとつの「発展主義」は左翼からのものである。

「男女平等は、<革命>が終わったあとに当然実現する。
今は、静かにしてくれ!」
現在なら、元の<革命>政党が与党になった時代のことを
さすのだろうか?

「男女平等の問題は、今の新自由主義が片付かないとやっ
ても無駄である。女たちが議員になっても、利用されるだ
けだ」。
この意見は、二重、三重に、女たちを侮辱している。

こうして<革新>政党・男性社会が惰眠をむさぼるあいだ
に、自民党が、「女性の活躍」というアドバルーンを打ち
上げる。

革新政党男性社会のホンネはこんなことではないだろうか。

「バカな女どもが、自民党のエサに釣られるんじゃないだ
ろうな?!」

このように心配がふくらむんだったら、やまねこたちに恨
めしい目を向けるんでなくて、陣営内のジェンダー学習を
進めるといいのよ。

女性候補者を立てて一見、男女平等であるかのように、女
性を利用するだけでなく、党の政策決定の中枢に女性を入
れたらいいんだよ。

でないと、自民党にその面でも遅れをとってしまうよ!

ちの男女共生ネットのような市民団体は、こうしたさまざ
まな誤解に満ちた偏見を浴びせられながらも少しづつ歩み
けているのであります。


うらおもて・やまねこでした。



やまねこ通信268号:クレーン車暴走事故、母親にも賠償責任を地裁判決、三 菱自動車リコール隠しの監督責任は?


@@@やまねこ通信268号@@@

クレーン車暴走事故、母親にも賠償責任を地裁判決、三
菱自動車リコール隠しの監督責任は?

てんかんの息子が薬を飲み忘れることを知っていた母親
の監督責任を問うた原告。宇都宮地裁は母親の賠償責任
を認定した。

柴田受刑者は薬を飲むことで発作を抑えねばならなかった。
ところが時折それを忘れた。子どもが薬を飲んでいないことを
母親は知っていた。

罪のない6人の子どもたちの遺族たちのもって行き場のない
怒り。なんとかして防げなかったのだろうか?母親は危険性を
知っていたではないか。この怒りの妥当性を地裁が認めた。

栃木県鹿沼市で児童6人が死亡したクレーン車暴走事故で、
元運転手、柴田将人受刑者(28)の母親の賠償責任が24日
認定された。

次は、やまねこ通信76号の投稿からの引用です。
「クレーン車事故の加害青年の働く「権利」

「持病、話せなかった」と容疑者の母が会社に出した手紙
が公表された。

 「持病などを隠した結果、迷惑をかけた」と母親は謝罪
しつつも、
 「持病や執行猶予中であることを(親子で)隠した。
 心苦しかったが、息子が喜んで働いている姿に本当のこ
とを話せなかった」と告白。

 事故の後、自分が経営する店を閉めることになった。
 「一生かけて償う。許してください」と母は結んでいる。
(引用以上)
 
●子どもが喜んで働いているのを見て、必要な処置を怠った母親。
6人の児童の命は帰らない。そればかりではない。薬を服用してい
るてんかん患者たちの職業の機会を危機に陥れた。鹿沼の加害者
の母親の私的幸福は、公的被害を生んだ。

京都市東山区の祇園暴走事故が2012年起こっている。
その遺族、奥村順子さん(66)=京都市右京区=は「母親は、(元
運転手が)薬を飲まなければいつ事故を起こすか分からないこと
を一番知っていたはずなのに何も手を打っておらず、地裁の
判断は当然」と評価。

08年にてんかん発作で意識を失った運転手のトラックには
ねられ、中学2年の長男拓也さん(当時14歳)を失った横
浜市鶴見区の伊藤真さん(49)も一定の評価を示す一方、
元運転手以外の刑事責任を問えなかったことなどを指摘。

てんかん患者が一定の基準を満たせば就業可能になることは
良いことだ。けれど、監督責任を家族だけに任せるのか。家族
失ったり同居していない患者の場合、どうしたらいいのだ
ろう?
このことが問われているだろうか?

●この判決とほぼ同時に、三菱自動車のリコール隠しが報道される。

社説:三菱自リコール 隠蔽体質の改善を急げ
毎日新聞 20130425日 0232分 ウェブ版

 多くの消費者が、あきれかえったに違いない。
 三菱自動車が、軽自動車の欠陥情報を適切に提供していなか
ったとする報告書を国土交通省がまとめた。同社は過去2回の
リコール(回収・無償修理)隠しで信頼を失墜し、再発防止に
取り組んでいるはずだった。徹底した原因究明と隠蔽(いんぺ
い)体質の抜本的な改善を急がなければ、地に落ちた信頼は戻
らない。

 報告書によると三菱自は2007年以降、販売店からエンジ
ンオイル漏れの不具合情報を受けながら十分に確認せず、同省
には「不具合ゼロ」と報告していた。原因究明にも消極的で、
「リコール不要」と社内で決めた後、実質的に2年以上も究明
作業をしなかった。

 三菱自の社内調査では、オイル漏れの欠陥を最初に把握した
05年から、リコールを届け出るまで5年半以上かかったこと
が分かっている。さらに、リコールを届け出るたびに社内から
「対象車の範囲が不十分」との内部通報があり、リコール台数
が膨らんでいった。企業としてのモラルの欠如は目を覆うばか
りだ。

 同社は00年に、大規模なリコール隠しを行っていたことが
発覚した。04年には、大型トレーラーのタイヤ脱落による母
子3人死傷事故に絡み、グループ会社のリコール隠しが明るみ
に出た。

 自動車の欠陥は、人命に関わる重大事故に直結しかねない。
不具合の情報は、いち早く利用者に伝えなければならないもの
だ。

 ところが、2度のリコール隠しで消費者離れが進んだ当時の
三菱自は財務体質が悪化し、三菱重工業など三菱グループ各社
から計数千億円規模の資金支援を受けるほどに追い込まれてい
た。今回問題になったエンジンオイル漏れを最初に三菱自が把
握したのは、まさにそのころ。情報提供より経営を優先したと
すれば、許されないことだ。

 同社は2度の不祥事を踏まえて経営を刷新した。しかし、教
訓は再出発の当初から生かされなかった。つまずきの原因の一
つとして、経営に外部の目を取り入れなかったことが指摘され
ている。再発防止には、グループ会社にとどまらず外部の目を
活用することも検討すべきだろう。

 国交省は今回、法令違反が確認されなかったとして三菱自に
行政処分は科さない方針だが、改善策をまとめるよう指示した。

 同省は04年の三菱自の不祥事などをきっかけに、情報収集
体制の強化や監査体制の強化といったリコールに絡む不正の再
発防止に取り組んできた。長期にわたって問題を把握できなか
った今回の反省を踏まえ、一段の対策強化を求めたい。

鹿沼の事件は「私的幸福」の領域逸脱を地裁が裁いた。
三菱自動車の事件は「私的利益追及」の領域逸脱である。

上記の毎日社説が書くように、同社は00年に、大規模なリコ
ール隠しを行っていた。04年には、大型トレーラーのタイヤ
脱落による母子3人死傷事故に絡み、グループ会社のリコール
隠しが明るみに出た。

日本を代表する企業のグループぐるみの犯罪。どうしてこのよ
うなことがまかり通るのだろう。

欠陥商品は、買わなければそれで済む。消費者が市場で審判す
るから売れない商品を販売した企業はつぶれる。

ところが、この責任ある企業がこの国最大の巨大資本によって
支えられている。結果、消費者は、自分が買わなくても、他者
の利用する欠陥車という走る凶器によって命が危険にさらされ
る。

エンジンのオイル漏れは小さな欠陥だろうか?

誰が責任を取るべきか。国である。管轄責任ある国土交通省で
ある。国交省は企業を守るために仕事しているのだろうか?市
民の命の安全を守るために、訴訟が必要なのだろうか?

●この矢先、新規就航と同時に火を噴いて運行中止になったボ
ーイング787が就航することに。原因の解明が終わらぬまま。

ボーイング社と同機の最大の購買者、日航、全日空の「私的」
損失を、「公的」に償うための対応と見える。
消費者は乗らない選択ができる。けれど、航空便は目的地によ
って認可されているから、利用者は選択の可能性がない。

地域割りの電力会社と同じだ。ここに、利益至上主義と利権が
生まれる。

この責任者たちははたして、ボーイング787機を利用するの
だろうか?おそらく賢明な責任者たちは乗らないだろうとやま
ねこは思うのであります。

てんかん運転者の母親の責任が問われるのは必然であり司法が
健全な役割を果たしたと思う。

けれどこの力が、大きな利益追求集団、三菱自動車、それに監
督官庁の国交省の責任追求に向かわなかったら、市民は浮かば
れないままである。


うらおもて・やまねこでした。

2013年4月21日日曜日

やまねこ通信267号 安倍首相の矛盾に満ちたつぎはぎ作文「女性の活躍」演説


@@@やまねこ通信267号@@@

安倍首相が日本記者クラブで講演し「成長戦略」の全
体像を発表した。

「女性が輝く日本」とのタイトルの下、「女性の活躍」
が成長戦略の中核であると語る。

首相は原稿を朗読してゆく。

M字カーブ解消のため、出産子育て後の女性の職場復帰。

待機児童の早期解消に向けての「横浜方式」の採用。

「子育てもキャリアとみなす」制度。子育て後に大学、専
門学校での勉強も可能に。
これはIMFのラガルド専務理事が、「オランダに学ぶと
いい」として、日本に対して促した政策だね。

財界に対しては、「企業に少なくとも一人の女性役員を」
と要望。

一人とはみみっちいなあ!もっと大きなアドバルーンを揚
げたらいいじゃん!とやまねこは思うが。

安倍首相は最初に述べた。
「女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがち
です。しかし、私は、違います。「成長戦略」の中核をな
すものであると考えています」。



●「女性の活躍」が「成長戦略」のための手段だという。
だったら、今後、いくらかの成長が達成され、手段が不要
になった暁に、女性労働をどのようにするつもりだろう?

好況時は職場に、不況時は家庭にと、女性労働は景気動向
によってスポンジのように使い捨てされてきた歴史がある。

その折に、女性を職場から遠ざけ、家庭に追い込むために
普及された言説が「三歳児神話」である。1970年代の
ことである。

安倍首相は、「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」と
の、賞味期限切れの亡霊を持ち出している。どんなブレー
ンが背後に控えているのだろう?

先日の、NHKの「子育て」特集番組で、「3年間はお母さん
がしっかり育てないと、将来、違いが生まれますよ」と語
る高齢男性の言葉を聞いて、スタジオの参加者全員が、ど
っと笑った。

発言者だけ、笑われる理由が分かっていないようだった。
この高齢男性と、50代の安倍首相が同じことを語っている。

●女性の雇用を語るためには、社会政策の文脈が不可欠で
あり、ジェンダー平等、雇用機会の均等、同一賃金、同一
労働の原則抜きでは語れない。

父と母が両方で子育てするとの話題がほとんど語られない。
「子育ては母親」の思い込みから少しも出ていない。

「母だけが子育てする体制」は、30年前のオランダであ
る。それを改め、男性と女性の協力で子育てをする体制に
改善したので、オランダは子どもの数が増えるようになっ
た。

子育て後の女性の職場復帰はいいとしても、すでに出産後、
退職した女性はどうしたらいいのだろう?
その結果、非正規雇用になった女性が、第二子、第三子を
出産する際には、どのように役立つのだろう?

女性に非正規雇用が多い実態が、ひとつも語られていない。

むしろ、非正規雇用に責任を与えて管理職の道を開き、夫
婦二人で半々稼ぐオランダモデルを導入したらいいのに。

若者たちの非正規雇用が多い中、「3歳になるまでしっか
り母が抱きしめて育てる」ことのできるカップルが、一体
どれほどあるのだろう?

恵まれた大企業のケース、一定以上の水準の勤労者しか
目に入っていない模様。

首相の政策は、どこかで聞いた「女性の活躍」エピソード
を、幾つもつぎはぎした、素人の作文である。
連日のように、メディアが報道する、若い世代の実態が少
しも踏まえられていない。
シングルマザーへの言及が一つもない。

結局、選挙対策に女性を利用しようとの下心ばかりが目に
付く。一時しのぎでやり過ごす姿勢である。

問題は、こうした一時しのぎのつぎはぎ政策ではく、しっ
かりした社会政策をもつ政党が、どうやったら参院選で得
票できるかである。

民主党は、子育て、男女共同参画については、良い政策を
持っていた。ところが、折角の長所を生かす前に、あまり
にも稚拙な政治手法で、自滅した。

有権者たるものは、このことをしっかり見ておかねば。

参院選候補者に対し、ちの男女共生ネットは、公開質問状
を出す予定である。

来週土曜日、4月27日、
第7回勉強会、「子育てどうやったらいいの?」を開きます。
安倍首相演説は、反面教師として役立つかもしれない。


以下、安倍首相、日本記者クラブでの原稿を読みながらの
40分を超える演説。
次のURLは動画付きです。
http://ameblo.jp/yoko-jyoti4/entry-11514480752.html

 (上記URLからのコピー、ペースト転載)。
現在、最も活かしきれていない人材とは何か。それは、
「女性」です。

女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちで

す。しかし、私は、違います。「成長戦略」の中核をなす
ものであると考えています。

女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただく

ことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動
力だ、と確信しています。

6.女性が輝く日本
さて、ようやく、私の成長戦略の中核である「女性の活躍」

について、お話させていただきます。

「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が

占める割合を30%以上とする」という大きな目標がありま
す。

先ほど、経済三団体に、「全上場企業において、積極的に

役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役
員に、一人は女性を登用していただきたい。」と要請しま
した。

まず隗より始めよ、ということで、自由民主党は、四役の

うち2人が女性です。こんなことはかつてはなかったことで
あります。2人とも女性の役員では、日本で最も注目される
女性役員として活躍いただいています。そのおかげかどう
かはわかりませんが、経済三団体からはさっそく前向きな
回答をいただけました。

ただ、足元の現実は、まだまだ厳しいものがあります。

30
代から40代にかけての女性の就業率がガクンと下がる、

いわゆる「M字カーブ」の問題については、少しずつ改善
の傾向にありますが、ヨーロッパの国々などと比べると、
日本はまだまだ目立っています。

いまだに、多くの女性が、育児をとるか仕事をとるかという

二者択一を迫られている現実があります。

(待機児童解消加速化プラン)
「待機児童」は、全国で25千人ほどいます。深刻です。

しかし、「全国で最も待機児童が多い」という状況から、

あの手この手で、わずか3年ほどで、待機児童ゼロを実現し
た市区町村があります。「横浜市」です。

やれば、できます。要は、やるか、やらないか。

私は、待機児童の早期解消に向けて、このいわば「横浜方

式」を全国に横展開していきたいと考えています。

まず、これまで国の支援対象ではなかった認可外保育施設

についても、将来の認可を目指すことを前提に、力強く支
援します。

これまで支援の対象としてこなかった20人未満の小規模保

育や、幼稚園での長時間預かり保育も、支援の対象にしま
す。

さらに、賃貸ビルなども活用して、多様な主体による保育

所設置・新規参入を促すとともに、事業所内保育の要件を
緩和して、即効性のある保育の受け皿整備を進めてまいり
ます。

保育士も確保しなければなりません。

保育士の資格を持つ人は、全国で113万人。しかし、実際に

勤務している方は、38万人ぐらいしかいません。7割近い方
々が、結婚や出産などを機に、第一線から退き、その後戻っ
てきていません。

保育士の処遇改善に取り組むことで、復帰を促してまいり

ます。

このような総合的な対策である「待機児童解消加速化プラ

ン」を用意しました。

「子ども・子育て支援新制度」のスタートは、2年後を予

定しておりました。しかし、そんなに時間をかけて、待っ
てはいられません。状況は、深刻です。

そのため、今年度から、このプランを直ちに実施します。

平成2526年度の二年間で、20万人分の保育の受け皿を整

備します。さらに、保育ニーズのピークを迎える平成29
度までに、40万人分の保育の受け皿を確保して、「待機児
童ゼロ」を目指します。

その実現のためには、保育の実施主体である市区町村にも、

同じ目標に向かって、本気で取り組んでもらわなければな
りません。

政府としても、最大限の努力を行い、意欲のある市区町

を全力で支え、「待機児童ゼロ」を目指します。

(3年間抱っこし放題での職場復帰支援)
妊娠・出産を機に退職した方に、その理由を調査すると、

「仕事との両立がむずかしい」ことよりも、「家事や育児
に専念するため自発的にやめた」という人が、実は一番多
いのです。

子どもが生まれた後、ある程度の期間は子育てに専念した

い、と希望する方がいらっしゃるのも、理解できることです。

現在、育児・介護休業法によって認められている育児休業の

期間は、原則として1年となっています。しかし、これもア
ンケートをとると、1年以上の休業をとりたいという方が、
6割にものぼっています。子どもが3歳ぐらいになるまでは、
育児に専念したいという人が、3割もいるのが現実です。

「女性が働き続けられる社会」を目指すのであれば、男性の

子育て参加が重要なことは当然のこととして、こうしたニー
ズにも応えていかねばなりません。3歳になるまでは男女が共
に子育てに専念でき、その後に、しっかりと職場に復帰でき
るよう保証することです。

そのため、本日、経済三団体の皆さんに、法的な義務という

形ではなく、自主的に「3年育休」を推進してもらうようお願
いしました。

ただお願いするだけではありません。「3年育休」を積極的

に認めて、子育て世帯の皆さんの活躍の可能性を大いに広げ
ようとする企業に対しては、政府も、新たな助成金を創るな
ど応援していこうと思います。

ブランクが長くなると、昔やっていた仕事であっても、つい

ていけるかどうか不安になることもあるでしょう。

こうした皆さんが、仕事に本格復帰する前に、大学や専門学

校などで「学び直し」できるよう、新たなプログラムも用意
することで、「3年間抱っこし放題での職場復帰」を総合的に
支援してまいります。

(子育て後の再就職・起業支援)
子育てに専念する経験も、貴重なものです。私は、むしろ、

子育てそれ自体が、一つの「キャリア」として尊重されるべ
きものですらある、と考えています。

実際、自らの経験に基づいて、「外出先でも授乳できる授乳

服」を開発して会社を立ち上げ、20億円規模の新たな市場を
開拓した女性もいらっしゃいます。

子育てを経験した女性ならではの斬新な目線は、新たな商品や

サービスにつながる「可能性」に満ちたものです。

ぜひともその経験を、社会で活かしてほしい、と強く願います。

そのため、育児休業ではなく、一旦会社を辞めて、長年子育

てに専念してきた皆さんにも、いつでも仕事に復帰できるよ
う応援していきます。

長年子育てに専念してきた皆さんに対して、新たなインター

ンシップ事業や、トライアル雇用制度を活用して、再就職を
支援していきます。

さらに、子育ての経験を活かし、この機に自分の会社を立ち

上げようという方には、起業・創業時に要する資金援助も用
意します。

仕事で活躍している女性も、家庭に専念している女性も、す

べての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝けるよう
な日本をつくっていきたいと思います。

●以上、保守の最右翼、安倍晋三首相も、「女性の活躍」を
語る必要ができたほどに、社会の中心軸が変化している。

結果、新自由主義の「女性の活躍」と、新保守主義の「女性
は子育て」の思い込みをまぜこぜにし、矛盾に満ちたつぎは
ぎ作文の一丁上がりとなった。

けれど、こんなつぎはぎ作文でなくて、もっと水準の高い論
戦をして欲しいなあ!!

「こんなもんで、いいんだよ」と、自民党安倍首相サイドの
低レベルの下心、うすら笑いが見え隠れ。

他の政党の努力を期待しよう!!

  
うらおもて・やまねこでした。