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2013年3月29日金曜日

衆院選「無効」判決が広島と岡山で、斎藤美奈子氏「格差ではなく不平等」


@@@やまねこ通信259号@@@

衆院選「無効」判決が広島と岡山で、斎藤美奈子氏
「格差ではなく不平等」

●昨年末の衆院選後、安倍自公政権の右傾化が、とどま
ることを知らない形勢に恐怖を覚えていたから、3権分
立の一角、司法の領域で民主主義が健在なのを知り、ほ
っと一息。
広島高裁は筏津順子裁判長、http://hosoprofile.web.fc2.com/profile/_ikadatsujunko.html

この国の司法は、上にゆくほど、政権与党寄りの判決が
でるから、憲法で保証されている3権分立がぐずぐずで
ある。だから高裁で「無効」判決が出たのはスゴイ事だ。

けれど、最高裁で逆転だろうな、と悲観的な思いに駆ら
れるのも無理はない。

「どうせ最高裁に行ったら高裁の「無効」判決は無効に
されるのよね」。でもこの「どうせ」が民主主義の敵な
のだ。

そうかそうか!
フェミニストの文芸評論家・斎藤美奈子氏の舌鋒冴える!
掲載したのは健闘中の東京新聞。

東京新聞、評判の「本音のコラム」

斎藤美奈子 格差ではなく不平等
先の衆院選を「違憲」かつ「無効」とする判決が、広島
高裁に続いて広島高裁岡山支部でも出された。満開の桜
にふさわしい(?)ちょっと「やった!」な判決である。

 この件は通常「一票の格差」問題と呼ばれている。で
も、その表現の仕方ではダメだ。「一人一票」問題と呼
びなさい。そう主張しているのが今回の裁判を起こした
弁護士らも参加している「一人一票実現国民会議」とい
うグループだ。

 例えば前回の選挙では最大2.43倍の格差が生じたと
報じられた。が、国民の投票権は一人一票でなければお
かしい。

 この場合は「0.41票」の投票権しかない有権者がいた」
と表現すべきだと彼らはいう。「一票の格差」ではなく
「一票の不平等」なのだと。

 いわれりゃ、まったくその通り。ここのウェブサイト
には「あなたの一票の価値は本当は何票でしょう?」と
題した選挙区ごとのチェックボタンがあり、私の選挙区
を入れてみたら0.42票だった。参院選はもっとひどくて
.22票。っていうかどの選挙区を入れても一未満。
.00の投票権を持っているのは高知3区だけなのだか
ら。

でも、どうせ最高裁に行ったら高裁の「無効」判決は無
効にされるのよねと私たちは考える。その「どうせ」こ
そ民主主義の敵。怒りを持続させたい方は「一人一票」
で検索を。(以上)http://www.ippyo.org/index.php

●そこで、やまねこもクリックした。長野4区、私の選
挙区、衆院0.83票。参院0.55票。首都圏ほどでは
ないが、衆院では一票の八掛け、参院では半値である。

「一人一票実現国民会議」の発起人は誰かしら?
東京地裁で訴訟を起こした頼もしい久保利英明弁護士の
名があるから大丈夫。
皆さんもどうかご訪問を。

●斎藤美奈子氏の切れ味鋭い講演を、やまねこはネット
の仲間と共に、かぶりつきで聞いた。
題して「90分でわかるニッポンの文学」、3月14日(木)、
所は諏訪湖畔のホテルでの信毎セミナー。

尾崎紅葉、二葉亭四迷から最近の芥川賞作家まで、それ
ぞれの作品の文章を示しての強い説得力。パワーポイン
トのスライドがまた的確だった。こんなに充実した講演
を聞いたことがあっただろうかと思った。

ただ参加者が少なくて反応のほとんどないことが、残念
だった。なんてもったいないの!

●ちの男女共生ネットの仲間たちは、斎藤美奈子氏の講
演会を開く予定です。最強のフェミニスト批評家・斎藤
美奈子氏の話が、聞きたい人々に届けられるといい!

これまでとは違った世界を見るために!造るために!

7月20日(土)午後、茅野市内での講演をお楽しみに!


うらおもて・やまねこでした。

2013年3月28日木曜日

日本人平均寿命は82.6歳、でも健康寿命は73.1歳なんだって!ズンバをしようよ!


@@@やまねこ通信258号@@@

前回のやまねこ通信で右手の腱鞘炎のことを書いたところ、
お見舞いメールをいただきました。こさとさん、もりみつさん、
はみさん、つねこさんら同世代の方々。どうも有難う!

こう書いたところに電話が鳴った。
「どうしたのお?やまねこ通信、休んでるじゃない!倒れた
のかと心配になったわよ。腱鞘炎ならまあ、大丈夫か。こち
らは電話やメールする暇もなかったの・・・」
身体が幾つあっても足りない忙し屋のおとよさん。

腱鞘炎だけでなく、左の膝も最近あやしくなっている。歩く
には支障はないが、正座をするのがきびしくなった。

還暦はとっくに過ぎ、さらに進むともうすぐ古稀という里定標
が見えるやまねこの年頃。

今の年で倒れたら、あまりにも可哀想だよ!
もう少し、活動の時間を与えてほしいなあ。

こう思う矢先、今朝の毎日新聞でこんな記事が目に飛び込
む。

長寿世界一である日本人の平均寿命は82.6歳。ところが、
「健康で長生き」の健康寿命は平均73.1歳なんだそうだ。

平均的日本人の生涯は、73歳で身体に痛みや病気がおこ
り、死の82歳までの9年間、苦しい思いの日々が待ち受け
ていることになる。これはきびしい。つらいし医者通いが増え
医療費もかさむ。

で、どんな病気が多いのだろう?日本人の一位は腰痛との
こと。

● ◇2010年時点の日本と世界の健康脅威トップ10◇
*米ワシントン大などの分析による。「世界」は187カ国が
対象。かっこ内は1990年の順位

  日本          世界
1 腰痛(2)       虚血性心疾患(4)
2 脳卒中(1)      肺炎(1)
3 虚血性心疾患(3)   脳卒中(5)
4 肺炎(5)       下痢(2)
5 その他筋骨格障害(8) HIV・エイズ(33)
6 肺がん(10)      マラリア(7)

http://mainichi.jp/select/news/20130328k0000m040062000c.html

●以下、記事のペースト。
「自殺も上位に入っている。チームは「世界一長寿の日本人の
健康が揺らぎ始めている。長く生きても病気などに苦しむ期間
が延びていることを示している」と説明する。

日本の分析は、厚生労働省の人口動態調査などを基にした。
平均寿命より早く死亡することで失った年数、障害を抱えて生
きる年数を考慮し、病気などが健康に与える負担の程度を分
析した。

この手法は、死に直結しないが日常生活に支障をきたし、健康
寿命を縮める病気や障害を明らかにできる。

その結果、2010年で最も負担度が重かったのは「腰痛」で、脳
卒中、虚血性心疾患(心筋梗塞(こうそく)など)、肺炎、関節症
などの筋骨格系障害、肺がん、自殺−−と続く。

1990年の分析ではトップ3は脳卒中、腰痛、虚血性心疾患の
順だった。

また、自殺は若年層(15〜49歳)の死因の27%を占め、90
年の16.5%から急伸、世界でも飛び抜けて高かった。

さらに、こうした脅威の背景にある最も重要な要因として「食生活
」を指摘した。和食は低カロリーだが塩分が強く、果物やナッツ類
が不足するなど栄養素の偏りが問題だという。2位以下は高血圧、
喫煙(副流煙を含む)、運動不足、肥満だった。

チームによると、2010年の日本人の平均寿命は82.6歳だが、
健康寿命は73.1歳(男女平均)。

分析にあたった渋谷健司・東京大教授(国際保健政策学)は「政
府は国民の健康課題に効果的に取り組んでいるように見えない。
食事の改善、禁煙、腰痛対策など高齢化に伴う問題とともに、自
殺予防に向けた精神疾患対策などを進めなければ、健康長寿世
界一の座を維持できないだろう」と話す。【永山悦子】(以上)。

●少し前、長野県が男女とも平均寿命が最高になったことが伝え
られたばかり。その理由は、地域医療の保健師さんらの活動で、
減塩食の普及の成果であると説明されている。

身体の健康と同時に、うつ病などの心の病が増えている。高齢化
社会での新しいコミュニティーで、人々と交流することが解決の一
つである。

●話はがらりと変わるが、『婦人公論』4/7号を読んだ。
『閉経記』というギョッとするタイトルのエッセーが売れている詩人
の伊藤比呂美が瀬戸内寂聴と対談している。

伊藤比呂美は、女のからだやセクシュアリティーを大胆に言葉で
表現してきたことで有名。彼女の若い頃に書いたものをやまねこ
は少々暑苦しく思ったから、あまり愛読してはいない。

ところが『閉経記』は面白かった。歳をとり老いてゆくと、女のから
だに何が起こるかを、こまかく観察している。深刻ではなく風が吹
くようにさらっと書いている。南カリフォルニアでの再婚カップルと
子供たちの暮らし。

そこで、伊藤比呂美はズンバというダンスに夢中である。

比呂美「私がおすすめしたいのはズンバですね」

寂聴「ズンバ・・・・」

比呂美「ラテン系の音楽に乗って、腰を振って踊りまくるエクササ
イズ。アメリカではものすごく流行っています。私も通っていて、こ
れが楽しい。60代70代がクラスの主要メンバー。こんなふうに体
を動かし、汗をいっぱいかき、夢中になって我を忘れます」

寂聴「見てると、腰を回して、いかにも「してちょうだい」というような
セクシーな動きね」

比呂美「たしかに膣のまわりの筋肉を使う感じです。歌詞も「俺は
お前がほしい」そんなのばっかり」
(中略)
比呂美「腰を振っていると、自然に口が開いて笑顔になる。万能の
薬、ズンバ」

●へえっ!!影響受けやすいやまねこは、ズンバが何か知りたく
なった。

「ズンバでは、骨盤に集中し、肛門を上に引っ張るイメ
ージをしながら、腰を回す。これを体得すると、尿漏れ
や前かがみ、転倒予防にもなるそうな。つまり老後の健
康対策」。

伊藤比呂美は女性セブンでも語っている。
http://www.news-postseven.com/archives/20130328_179256.html

これはきっと大流行するよ、との予感。
ネット検索しました。下のURLで見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=aYYC85Up_Y8


●諏訪地域で、誰かズンバの指導者がいないかしら。
そうそう、木いちごの会、きりりネットで活躍している
かやのさん、忙しついでにもう一つ奮発して、ズンバの
インストラクターになってもらえないかしら!

『婦人公論』では坊主刈りの寂聴さんと、ロングの豊か
なシャギーを振り乱した伊藤比呂美とのコントラストが
愉快だよ。


うらおもて・やまねこでした。


2013年3月22日金曜日

温泉に通う日々、溢れだす便槽の家で狂騒のアベノミクス!


@@@やまねこ通信257号@@@

彼岸が過ぎました。
厳寒期にお断りなくお休みしていたブログを再開します。

節分が過ぎ、軒先から差し込む日差しの輝きが増してから、
本格的な雪が、これでもかこれでもかと降り積もった。60
センチほどに積もった雪は気温が低いので溶けぬままだっ
た。車道の雪は圧雪となり、どんどん固められてツンドラ
状態だった。

日中も零下の日が止まなかった。
けれどこの数日間昼間は10度以上になり、家の周辺の雪は
すっかり溶けた。
除雪車によって集められた雪の山が、日あたりのよくない
一角で薄黒い堆積となって残るばかりである。

●パソコンの仕事をする時間が長い。この一ヶ月、右手で
マウスを握ると、手が冷えて指が白くなった。そのうちマ
ウスでクリックすると、右腕の肘のあたりが痛むようにな
った。おそらく腱鞘炎であろう。腕の使いすぎだろうか。

目下、左手でマウスを操作する練習を重ねている。だいぶ
上達して不自由がなくなった。

先週から、夕方は温泉にかよっている。縄文の湯という温
泉に初めて漬かった。家から2キロほどの距離。

すべてが目新しい。自動券売機で切符を買い番台に渡す。
長い廊下を過ぎて奥の暖簾をくぐり、脱衣所から浴室に入
る。

浴槽に漬かった人が会釈したような気がした。桶の湯を浴
びてからお湯に入ると、ご近所のUさんである。
常連とのこと。

広い浴槽で手を伸ばしゆっくり温まって洗い場に上がる。
壁ぎわに並んだ蛇口のところが幾つも空いている。

たまたま座った場所でふと隣人を見ると、やはり近隣のA
んが身体を洗っている。彼女は、地域で市報を配布する会
の仲間である。Aさんはなんと、毎日のようにこのお湯に漬
かりに来るという。身体がぽかぽか温まり、明日の朝にな
っても寒くない。夏は歩いてくることもある。

「腕がどうも腱鞘炎らしく痛むんです。だから初めて来ま
した」

「それは仕事を休みなさい、というしるしなんですよ」
Aさんはにっこり笑う。

身体を洗っては浴槽で温まることを繰り返すうち、Aさんの
に座ったひとを見ると、やはり近隣のUBさんでは
ないか。

この時間帯が空いていることを、みなさんご存知なのだ。

最後に再び浴槽に漬かった。見慣れた顔が湯に浮かんでい
る。近隣のMさんであった。やはり常連とのこと。

もう少し遅いと、子ども連れの若いお母さんが増えるとい
う。

どの女たちも、言葉少なにお湯に漬かり身体を洗いシャン
プーし、また漬かって立ち上がっては脱衣所に消える。

脱衣場で髪を乾かし、ロッカーに入れた衣服を着て、ベン
チでゆっくり過ごす。時折会話が聞こえる。

脱衣場を出て廊下を歩くと、和室がある。横になっている
女性、男性が2、3人。その隣室は食堂である。うどんや
そばを注文することができる。夜7時まで営業。

3時半に番台をくぐったやまねこは、脱衣場から出ると湯
沸室でお茶をセルフサービスし、和室で横になる。やがて
うどんを注文。もちもちした歯ごたえのなかなか美味しい
うどん。結局6時頃まで、のんびり過ごした。

●翌日は週末であった。土日は込み合うことを聞いたから、
温泉は休みにした。月曜日、ウオーキングを終えて縄文の
湯に向かった。駐車場が空である。月曜日は定休日らしい。

車の向きを変え、5キロほど離れた河原の湯に向かう。
やはり初めてである。ここのお湯に漬かると、皮膚がつる
つるして気持ちが良いとの話を聞いた。

●茅野市には市営の温泉が4つある。縄文の湯、河原の湯、
新しい望岳の湯、塩壺の湯。この他に、山の方面には知名
度高い温泉宿が幾つもある。

こんなに温泉に恵まれた地域に暮らしているのに、ほとん
ど一度も入ったことがなかった。温泉に入るという習慣が
なかった。お風呂は身体を洗うところだから、昼間から外
でお風呂に入るという考えに馴染めなかった。

ところが、女たちがお湯に漬かってのんびりと身体をいや
し、静かに思索にふける表情に出会いその中に混じったこ
とで、温泉に対する考えがころりと変わった。

温泉は女たちが、自在に脱力することが許される場所なの
だった。ばたばたした日常の時間からしばし解き放たれる。
こんなこと、今頃気づいたなんて!

入浴代が安いことにも驚いた。一人400円のところ、茅
野市在住の高齢者は300円である。後で気づいたのだが、
回数券があり、3000円で11枚綴り。

自宅でお風呂に入って、浴槽の掃除をするよりよほど楽。
燃料代を考えると、温泉の方が安いかもしれない。

夕方のウオーキングの後はこれから温泉通いだ。


2年目の3.11が過ぎた。2年前から何も変わらぬまま
の日が続いている。18日夜には東電福島第1原発で大規模な停
電が発生。「使用済み核燃料プールの冷却装置など9設備が停止。
2年前の二の舞かと思い緊張した。すべてが復旧するまで29時間以
上もかかった。ネズミが仮設の配電盤に接触し、ショートしたことが原
因の可能性があると聞き、呆れてモノが言えない。

3月9日茅野市9条の会のみなさんとともに「原発ゼロ」に
向けての講演会を開いた。
元日大理工学部教授、核物理学者、大日方聰夫さんの講演。
難しい問題を易しく語ってくださって、非常に面白くためになった。
80人を超える、思いがけず多数の市民が参集した。

翌日下諏訪市民センターでは、「あれから2年、原発がまだ止まらな
い!」の集会とパレード。脱原発すわ連絡会主催。元東芝技術者で、
浜岡原発の設計に携わった渡辺敦雄さんの情熱あふれる講演。公
共政策にも高い意欲を示し上野原市長選に出馬したが、惜しくも敗れ
た渡辺さん。上野原市民は、ホントに惜しいことをしたなあと思う。

会場受付の記名用紙が足りないので、何度かコピーした。これまで最
大の165人の参加者が雨模様の中、詰めかけた。

●事故後の原発の対応に対して、市民の怒りが収まるわけが
ない。
東電福島原発の敷地内にどんどん増大する汚染水。核のゴミ
をどうするかの対策はゼロのまま。

「便槽のあふれだした家に住んでいるようなものなのに、原
発を動かしてゆこうとの考えは理解できない」と『北の国か
ら』の劇作家倉本聰氏、毎日新聞に寄稿。

ところが聞こえてくるのは騒々しいリズム、その名もアベノ
ミクス。あふれだす便槽の家での熱狂の日々は続く。


お久しぶりの、うらおもて・やまねこでした