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2017年3月30日木曜日

やまねこ通信374号:クラウディア・カルディナーレの太もも 、第2キャラこりは、鬼太郎の目玉オヤジか、

@@@やまねこ通信374号@@@
クラウディア・カルディナーレの太もも、第2キャラこりは、鬼太郎の目玉オヤジか、

朝、風呂に入りながら思った。
そうだよ、こりは目玉おやじなんだ。ゲゲゲの鬼
太郎だよ。

こりといっても、前回のやまねこ通信で始めて名
前が与えられた新人キャラだから、読者の多数は、
ご存知ないであろう。

前回やまねこ通信373号の末尾をコピペします。

(あ、また第二キャラの出番がなかった!
 腹を立てています。
 ごめん、ごめん!

 名前がつきました。コリちゃん(こころは狐狸)
 やまねこは高齢者、コリは、子どもから中年ま
でのやまねこに対して批判的な女子。小姑と思っ
たらいい。
鬼千疋のコリちゃんでした)。

湯船に浸かりながらやまねこは思った。
年齢は年下ばかりでなくていいじゃん。
むしろ、やまねこの目の上につきだしたちいさなた
んこぶ。

鬼太郎の目玉オヤジを思い出してね。そこに居場所
があるこりちゃんは、融通無碍、年齢不詳、性別不
詳。こんなキャラにしよう。
批判者にしてインタビューワー・・・
古い付き合いのキャラ。
やはり超自我だろうね。
(その後、コリ改め、こりに)。

こり:超自我って通じないと思うけど。

そうかもしれない。やまねこは勝手にフロイトの用
語を使っているから。そのうち解説いれるからね。

今朝、Facebookにこんな投稿をした。少々加筆するよ。

「カンヌ映画祭、バカ丸出しだね!!!
クラウディア・カルディナーレは、南欧イタリアの
グラマー女優。グラマーというのは、四肢が太くメリ
ハリが明確な身体のこと。ソフィア・ローレンと並び、
地中海の向こう、アフリカの血が混ざるとも見える情
熱的な黒い瞳に黒い髪の持ち主。

英国米国が規範にしている金髪で長身細身の北欧、ア
ングロサクソン系の身体とはとは出来が違う。

グローバル資本主義が、こんなに馬鹿とは知らなかっ
た。
南欧と北欧の違いも見えないのだろうか。「差異」の
価値が見えなかったら、経済なんて成り立たないのだ。
「安い」ものを「高く」売る。この差異の存在で、ビ
ジネスが成り立っている。

様々な民族的文化的背景の女優男優がいることで映画
界は人々を魅了してきたのだが・・・

忘れてならないのは、黒人俳優の使い方。西欧的な顔
立ちの人々しか使わない時代が長かった。アジア系も
同じで日本人は出っ歯の男優ばかりだった。

だから各国で様々な映画を生み出し、民族と文化の自
己表象をする必要があるのだ!!それにしてもね!

元のニュースは次の通り。
AFP=時事】今年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film 
Festival)の公式ポスターに使われたイタリアの女優
クラウディア・カルディナーレ(Claudia Cardinale
さんの写真に、太ももを細く見せる加工が施されてい
るとの疑惑が浮上し、批判を生んでいる。

【写真6枚】問題のポスターと、元になったとみられる写真

 写真は1959年に撮影されたもので、伊ローマ(Rome
の建物の屋上でスカートを翻すカルディナーレさんを写
している。

 フランスメディアは、この写真に修正を加えたとみら
れる同映画祭を批判。左派日刊紙リベラシオン(Liberat
ion)は「カルディナーレはたった一回転で服のサイズを
落とした」と皮肉った。

 文化情報誌テレラマ(Telerama)は人気女優であるカル
ディナーレさんの全盛期の写真をなぜ修正する必要があっ
たのかと疑問を呈し、「ポスターは素晴らしいが、写真は
太ももを細くするため、嘆かわしくもはっきりと修正され
ている。なんとも残念だ」と断じた。

 ソーシャルメディアの反応も同様に批判的で、あるツイ
ッター(Twitter)ユーザーは「クラウディア・カルディ
ナーレでさえもが修正なしに美の象徴となれないのなら、
大問題だ」と投稿。国内の女性団体からも写真加工を批判
する声が上がっている。

 だがカンヌ国際映画祭でディレクターを務めるティエリ
ー・フレモー(Thierry Fremaux)氏はAFPの取材に対し、
ポスターは「とても好評を得ている」と語った。

 一方、現在78歳のカルディナーレさんは、映画祭側が発
表した声明の中で、カンヌ映画祭70周年記念ポスターを飾
るのは名誉なことだと言明。「あの写真が選ばれてとても
嬉しい」と語っている。【翻訳編集】 AFPBB News
以上。

こり:こんな話に関心持つ人、どれほどいるかな・・・

もう少し、追加するよ。
ちなみにツイッギー(細枝)という名のファッションモデ
ルが流行していた時代、この国でも細めの女性ファッショ
ンが流行し(もちろん資本の仕掛けの結果)、それ以後、
肥満を恐れてダイエットが仕掛けられたのではないだろう
か。

やまねこは30歳の頃、ビジネススクールで英会話を教え
てた。その70年代前半に始めて聞いたと思うよ。
I am on diet.なんて表現、使ってたよ。

それから少しして、日本語でダイエットって言葉が出てく
るようになった。

こり:なるほどね。この40年間なんだ・・・

ダイエットが流行したのと、少子化は同時的現象だと思う
んだ。世界中どこの国でも、社会の西欧化の進展、女性の
高学歴の推移に伴って、少子化が進むのが通例。

こり:やまねこの住む茅野には縄文のビーナスというグレ
ードマザーがいるよね。

そのとおり、グレートマザーが堂々を暮らしている社会は
母が中心で女性のシンボルが重要だった。なにしろ、子ど
もがどうやって生まれるか知らなかった人々にとって、無
から有を生み出す女性の身体は神秘そのもの。
崇拝の対象だったのだ。

男性社会では、「母」の重要性が低下する。ど~んと近代
に飛んで利益追求、生産至上主義の資本制社会を見よう。

女性は、子どもを作るために不可欠な「装置」、ある意味、
「必要悪」とみなされるようになった。

資本制の社会では、出産育児が経済システムに組み込まれ
ておらず、生命の再生産は「迷惑な存在」として、当事者
の女たちばかりが「苦難」として引き受けることを余儀な
くされてきた。

西欧諸国、特に北欧ベネルックスは生命の再生産について、
社会全体で引き受ける体制に、いち早く取り組んでいる。
南欧諸国、スペイン、ポルトガル、それにカルディナーレ
のイタリアは、取り組みが遅れている。家族、おばあちゃん
の支援に依存してきたのだ。
日本よりは進んでいるけれどね。

こり:カルディナーレの太ももから70年代のツイッギー
に「セックスシンボル」が変化。女たちの理想像が細枝み
たいな身体になった。子どもの数が少数に。
女子の思春期に始まる摂食障害も、こんなところに問題が
あったんだね・・・

こりとやまねこの対話篇初回でした。
いかかでしたか?


うらおもて。やまねこでした。

こりでした。

2017年3月29日水曜日

やまねこ通信373号:森友事件と「日本会議」、憲法がリアルに!

@@@やまねこ通信373号@@@

森友事件と「日本会議」、憲法がリアルに!

昨日27日、山岳部の高校生ら8人が那須のスキー場
で雪崩にあって遭難した。気の毒な事件である。冬の
間の積雪の上に降った新雪が滑り落ちる「表層雪崩」
だった模様。

26日日曜日、やまねこの棲家も一日中雪に見舞われ、
20cmばかり降り積もってあたり一面雪野原となった。
このところ温暖な日が続いた。けれどこのまま春になる
ことはあるまいと、楽観を戒めていた。

育った土地においてそうだったと同様、信州諏訪地域の
茅野においても、本格的な春が来る前にドカ~ンと大雪
に見舞われるのが常である。タイヤ交換は、5月まで待
ったほうがいい。

▲さて、先週火曜日、ちの男女共生ネットの読書会を開
いた。「森友問題」について腹立たしい思いを抱えて集
まった顔ぶれ。

「森友問題」とはいったい何かのおさらい:
森友学園の籠池理事長は、「自民党改憲草案」の早期実
現を目論む「日本会議」の大阪支部役員。
現在の安倍内閣は首相はじめ閣僚の75%が日本会議の
メンバー。外国からは「カルト集団の内閣」と呼ばれて
いる。

だから「森友問題」は、「日本会議」メンバー安倍首相
が、同士籠池氏が計画していた「安倍晋三記念小学校」
の設立を援助したはないかという疑獄事件である。国有
地の転売で8億円値引きし、日本会議仲間の府知事が仕
切る大阪府の認可を得させるなど。

すでに安倍首相は国会で発言した。
「私や妻がですね、認可あるいは国有地払い下げにです
ね、勿論事務所も含めて一切関わっていないということ
は明確にさせていただきたいと思います。もし関わって
いたんであればですねこれはもう私は総理大臣を辞める
ということでありますから、はっきりと申しあげたいと
このように思います」

「いずれに致しましてもですね、繰り返して申し上げま
すが私も妻もですね、一切認可にもですね、あるいは国
有地の払い下げにも関係ないわけでありまして(中略)
繰り返しになりますが私や妻が関係していたとなればこ
れはもう、まさに総理大臣も国会議員も辞めるというこ
とははっきりと申しあげておきたい」

この発言が実現するか否かは、ジャーナリズムの力、こ
の国の市民の力にかかっているのだ。

安倍夫人昭恵が籠池証人喚問後にFacebookに出した「コメ
ント」は、公務員の書いた文書であると元検事・郷原氏が
分析。昭恵は、籠池氏と同様、証人喚問に出なくてはなら
ないんじゃない?

▲さて、読書会で語られた話題。
女性政治家がご近所の方々の話題にのぼるという。けれど、
スキャンダルの主ばかり。韓国のパククネ、それに無能を
さらけ出す防衛稲田朋美防衛大臣。もっとまともな男性を
あてたらいいのにと男性たちが語っている模様。
「女はダメだね」と女たちも非難のコーラスをしているとか。

安倍首相、麻生大臣はじめ、ぜんぶ男性政治家なんだ。こ
れまでどんなスキャンダルがあっても、
「男はダメだね」との声は、一般社会の側からはまずもっ
て起こらない。

どうしてこうなんだろう?
竹信三恵子『女性を活用する国、しない国』を読めば、解答
が見つかりますよ!

▲ところで町内会から護国神社(諏訪市)の奉賛金を求める
文書が配布され、一戸当たり200円支払うように求められ
るんだとか。
ところが、同じ文書が配布されても、奉賛金を誰も支払わな
い地域もあるという。

護国神社は千代田区の靖国神社の分社である。地域の神社の
氏子への協賛金とはわけが違う。これはおそらく神社庁が背
後に控えているのだろうとやまねこは推測している。

神社庁は「日本会議」の所属であり推進団体である。言い換
えるなら、自民党改憲草案を早期実現させる活動をする団体
である。

地域の神社に改憲促進の署名簿が置いてある。近所の神社の
宮司が氏子を訪問して署名を促している。こんな話が聞こえ
てくる。

だとしたら、NOと言えなくて町内会に出した200円、安倍
政権の改憲運動の金庫に流れ込んで行くのではないだろうか。
町内会に属している所帯は全国で何千万件か?その10分の
1でも200円を差し出すとしたら、金庫に集まる金額は・・・


▲どんな募金の要請があっても、基本的人権が保証された現
在の憲法下では「NO」を突きつけることができる。

憲法第3章 国民の権利及び義務
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げら
れない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵す
事のできない永久の権利として、現在及び将来の国民に
与えられる。

望まない要求に対して、「NO!」と言えるのに言わない。言
う権利があることを知らない。こんな情けない人々からなる
社会が、憲法制定の70年後の今なお続いているのではない
だろうか。

私たちの暮らす社会は、日本国憲法を学び直す必要があるの
ではないだろうか。改憲どころの騒ぎではない。70年遅れ
ても、学ばないよりはましである。

▲こんな考えのもと、日本国憲法について語り合い学び直す
勉強会を開きます。

「森友事件」は「日本会議」の仲間に対して国有財産が恣意
的に分配された事件です。首相の妻がそこにからんだ疑惑が
語られています。

「日本会議」の目的は「改憲」です。
安倍首相は在任中に憲法を改「正」を望んでいます。

日本国憲法の存在がこんなにリアルになったことは未だかつ
てありませんでした。

▲第22回ちの男女共生ネット勉強会
「私の好きな憲法 憲法にまつわる思いを語る勉強会」
 わたしたちの暮らしと社会、男女平等は、この先、どうなるのだ
  ろう? 

戦後70年、男女平等を誓った日本国憲法のもとで私たちは暮らし
てきた。その間、男女平等はどれほど実現したかしら?「改憲」の
声が聞かれます。自民党改憲草案では男女平等はどうなっている
のだろう?ちの男女共生ネット5周年にあたり、男女平等を目指し
きた私たちの暮らしの根本、日本国憲法について語る集いを
開催します。

作文とトークを募集します。
課題「憲法についてどのように思いますか?」。
憲法のここが好き、暮らしと社会について思うこと。400
作文+5分トークの参加者を募集します。
締切:410日消印、茅野市豊平2-18-3、ちの男女共生ネッ
宛にてお願いします。

日時:422日(土) 午後1時半~4時半
会場:「茅野市ひと・まちプラザ」内市民活動センター「ゆい
わーく茅野」3階、
会議室101102

391-0002 長野県茅野市塚原二丁目5番45号、
TEL: 0266-75-0633

茅野駅東口から市役所(東側)へ徒歩8分

地図 https://www.chinoshi.net/yuiwork/index.php/access/
参加費:300円(会員無料)
主催:ちの男女共生ネット
後援:茅野市・茅野市教育委員会
託児のご用意があります。無料 託児申込:415日までに。
連絡先:090-9664-1894 ふじせ

(あ、また第二キャラの出番がなかった!
 腹を立てています。
 ごめん、ごめん!

 名前がつきました。コリちゃん(こころは、狐狸)
 やまねこは高齢者、コリは、子どもから中年までのやまねこ
に対して批判的な女子。小姑と思ったらいい。
鬼千疋のコリちゃんでした)。 



うらおもて・やまねこでした。

2017年3月6日月曜日

やまねこ通信372号:読書会は楽しい、自己の「社会化」、読書会の隠れた目的とは・・・

@@@やまねこ通信372号@@@
読書会は楽しい、自己の「社会化」、読書会の隠れた目的とは・・・

毎日新聞家庭欄に、「シングル:読書会で仲間と出会う」との記事
が。(3月5日)
読んでみよう。
「読書会」が人気らしい。一人で本を読んで知識を得るのではなく、
本を介して人と語り合うことで、新たな気づきや価値観の近い仲間
との出会いがあるのが魅力のようだ。
考え方が広がる。
なるほど、なるほど・・・

やまねこの仲間、ちの男女共生ネットでも、久しぶりに読書会を
開いている。
憲法の報告をした仲間から、女たちの置かれた立場を掘り下げて
勉強したくなったとの希望が。

竹信三恵子『女性を活用する国、しない国』(岩波ブックレット、
2005年)をそこで読むことにした。

1980年代以後、男女雇用均等法、男女共同参画基本法制定など、
女性の社会進出を促す法整備が整えられてきた。
ところが、現実はほとんど変化していない。男女平等指数は世
界140ヵ国中、100位以下。
外国と比較してどれほど遅れているのか、政治分野では議員の
数、経済分野では女性取締の数で比べてみる。
この国が遅れている理由はいったい何か?
敗戦後、敗戦の悔しさをバネに、企業戦士たちは早朝から深夜
まで、銃後の妻の支援のもと無我夢中で働いて、戦勝国アメリ
カ相手に経済戦争で勝利をおさめ、結果、この国は貿易大国に
なった。日本企業はエライ!
これは男性中心の世界だった。(NHK『プロジェクトX』が繰り返
し取り上げたテーマである)。
ところが今では、この「成功物語」が裏目に。
少子化の中、女性を政治経済分野その他の政策決定担当者に取り
込まないことで、この国は社会全体が大きな損失を受けている。
ところが男性社会にその自覚がない。
海外から「日本は損してるよ。早く改めなよ!」と批判を受けて
いる。
以上の趣旨を、さまざまの実例を盛り込んで語った本です。
竹信三恵子は他に、『ピケティ入門』『家事労働ハラスメント』な
どの著書があります。

▲2年前にフランスの経済学者ピケティ『21世紀の資本論』が
世界中でベストセラーになったとき、『ピケティ入門』の読書会
を、やまねこの棲家で開いた。
4人の参加者は70代以上3人、みわさんひとりが若者だった。
最初は物静かで口数が少なかったみわさん、回を追うごとに鋭い
発言をするようになり、やがて他の参加者をリードするようにな
った。その場に居合わせたちづこさん、それにやまねこは、ひと
りの若者が成長する姿、そのBeforeAfterに立ち会ったのだ。
この時目撃した目覚しい成長ぶりは、今も語り草である。

一定の水準の語彙や概念が身につくと、途端にその増殖と構築が
始まり、語りが開始するのではないか。こんなことをやまねこは
推測した。

▲今回、竹信三恵子『女性を活用する国、しない国』の読書会に
も、みわさん、ちづこさんが参加している。読書会が好きなメン
バーが集まり、中途退出、中途参加を含め、なんと7人に。こ
の他にも希望者が・・・

最初に提案者の説明、次にパラグラフを幾つかずつ音読、切れ目
のいいところで、質問や補足説明の語りを入れる。
するうち、さまざまな記憶が喚起され思い出話が問わず語りに流
れ出す。
昼食をはさみ、午前10時半から3時頃まで続いた。

▲世間話、井戸端会議も、読書会のテーマにまつわって、賑や
かに盛り上がる。読書会の本編もさることながら、こうした語
りがいたく重要だとやまねこは考えている。

家族のプライバシーが語られる。プライバシーといっても、多
かれ少なかれ、どこの家にだって起こる話で、秘密にしても仕
方がないことなのだ。こんな雑談の中で、やまねこは自分の物
語を語ってきた。

小学校下級生の頃緘黙児童だった、戦争直後の貧しい暮らしの中、
姉のお下がりの洋服を着るのがイヤだった、家に祖母がいた、母
との折り合いが芳しくなかった、母は結婚以後祖母が90歳で死
去するまでの約45年間を、「無期懲役」に相当する苦しみの中に
生きたのではなかったか、と思っていた。こんな話を語ってきた。

▲高校のクラスメイトに名家の娘がいた。地元の銀行の創業者一
族。母上が晩年一人暮らしになったとき、大きな屋敷の管理が大
変だからと、介護を依頼しようと母に働きかけた。

「お母さん、ひとりで掃除するの大変だから、誰か手伝いの人には
いってもらお」
「うちみたいに汚い家、恥ずかしくて人に入ってもらえん。その
前に片付けんと・・・」
「お母さん、だから片付ける人に入ってもらうんだよ」
「だめだちゃ。とてもうちなんか人に見せられん・・・」。
今から20年前の話である。

この話を聞いたとき、この母上は、自身を「社会化」しておられ
なかったのだと、やまねこは思った。やまねこの同世代でも同じ
ように思う人々が少なくない。

人は誰でも、病気や高齢で自分の身の回りの世話ができなくなる。
こんな時どうしたらいいのか。

自分は何も特別の存在ではない。他の誰それと同じなのだ。多か
れ少なかれ人は誰しも似通った道をたどる。こうした自己意識に
至ることを、自己の「社会化」とやまねこは呼んでいる。

▲自分は世界の**億分の一であって、何も特別な存在ではない。
20代前半にこのことに気づいた瞬間、海の上でクラゲのように
漂う開放感、ひろびろした野原に横たわって青空を眺める開放感
に、やまねこは包まれた。

何も特別ではないけれど、「個人」として自分は他と取り替えで
きない存在なのだ。

さまざまな人々と語り合うこと。そこで自分の恐ろしい程の「不
幸」「欠点」「恥」が、他の人々の話をシャワーを浴びるように聞
いた後では、
「な~んだ。自分って、ごくごく平凡じゃん!並だよ・・・」
と思うようになる。

こうして自己の「特権性」が剥奪されてゆく。

こうして自己を他者と「相対化」し、結果的に自身を「社会化」
する過程が進む。

「社会化」することで、他者との距離が測れるようになり、誰と
でも対等になり、自分の意見を臆することなく相手に語ることが
できる。社会化することで、近代社会の発言する市民になってゆ
く。

こうした人が増えるといいなと思い、このことが、読書会の隠れ
た目的ではないかと、やまねこは考えているのです。


うらおもて・やまねこでした。
今回は、第二キャラのヤジが入りませんでした。

お退屈さま・・・