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2012年10月31日水曜日

日本はジェンダー平等指数が101位、昨年の98位から下落。男性の出産休暇ランキングも


@@@@やまねこ通信229@@@@

男女平等指数(Gender Gap Index)というものが毎年発表
されている。世界経済フォーラム(本部ジュネーヴ)が発
表する男女平等の国の世界ランキングである。

調査は、雇用機会・賃金、学歴、健康・長寿、政治参加の
4分野で、男女格差の少ない国が上位に並ぶ。

今年は、1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェ
ー、4位スウェーデンなどの諸国。

日本は昨年98位だったのが、今年は101位に下落した。下落
の理由は、女性国会議員の減少と、健康長寿が首位から34
位に下げたため。日本は、首長、上級公務員、企業役員の
女性割合が低い。日本が一位の項目は識字率、小中学校就
学率である。

アジアでは、中国69位、韓国107位。一方、フィリッピンは
全体の8位、アジアではトップである。
下に記載した所得の高い国の序列では、日本は、イスラム
産油国と似通った地位にいる。

●新聞報道は、非常に常に小さい。コラムのような扱いで
ある。この国の社会にとって、さしたる意味がない情報で
あるとのメッセージが、紙面から発信されているように見
える。

国威発揚の場、オリンピックのメダル数ランキングは、紙
面を丸ごと使って毎日掲載される。この国は、世界の国々
からどう見られているか、その地位を非常に気にする自意
識の強い一面をもっている。

ところが男女平等指数で日本が下位に低迷していることに
対するメディアの対応の鈍さは毎年変わらない。現在の大
政党の離合集散、維新の会をめぐる権力闘争の中に、女性
政治家の顔がほとんど見えない現実に対して正比例といっ
ていいだろう。けれどこれはメディアの守備範囲が限られ
ているためかもしれない。

いまだに田中真紀子が紅一点である。この20年、何も変わ
らなかったのだろうか?というより、メディアの扱い方が、
あっという間に逆戻りしたのではないだろうか。


●所得の高い国での順位:
国名の後の最後の数字が、全体の順位です。
Iceland 0.8640  1 
Finland 0.8451  2
Norway 0.8403  3
Sweden 0.8159  4
Ireland 0.7839  5
New Zealand 0.7805  6
Denmark 0.7777  7
Switzerland 0.7672  10
Netherlands 0.7659  11
Belgium 0.7652  12
Germany 0.7629  13
Luxembourg 0.7439  17
United Kingdom 0.7433  18
Austria 0.7391  20
Canada 0.7381 21
United States 0.7373  22
Australia 0.7294  25
Spain 0.7266  26
Barbados 0.7232  27
Bahamas 0.7156  37
Slovenia 0.7132  38
Trinidad and Tobago 0.7116  43
Portugal 0.7071  47
Croatia 0.7053  49
Poland 0.7015  53
Singapore 0.6989  55
Israel 0.6989  56
France 0.6984  57
Estonia 0.6977  60
Slovak Republic 0.6824  70
Czech Republic 0.6767  73
Brunei Darussalam 0.6750  75
Cyprus 0.6732 79 Italy 0.6729  80
Hungary 0.6718  81
Greece 0.6716  82
Malta 0.6666  88
Japan 0.6530  101
United Arab Emirates 0.6392  107
Korea, Rep. 0.6356  108
Kuwait 0.6320  109
Bahrain 0.6298  111
Qatar 0.6264  115
Oman 0.5986  125
Saudi Arabia 0.5731  131


●今年の男女平等指数のHPを開くと、出産時の、女性の
産休日数に合わせ、父親である男性の産休日数、賃金の有
無の統計が並んでいます。以下は男性の産休の長さの一例
です。女性政治家の割合が多い国では、生命の再生産や子
てを大切にしていることが良く見て取れます。

男性の出産育児休暇

ベルギー、     2週
デンマーク、    2週
アイスランド   13週
ノルウェイ    12週
ドイツ、      なし
英国        2週  
日本        なし 
  
次のURLは世界経済フォーラムGender Gap IndexのHP
です。
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GenderGap_Report_2012.pdf


うらおもて・やまねこでした。

2012年10月23日火曜日

全国平均を大きく下回る長野県!市町村の女性管理職割合マップ発表!


@@@@やまねこ通信228@@@@
  
●女性管理職、46市町村不在 課長級以上 割合は6・6%
との見出しの信濃毎日新聞1013日(土)ウェブ版をみた。

以下信毎ウェブ版の引用です。
県内77市町村で課長級以上(管理職)の女性職員がいない
市町村が4月1日現在、46あることが12日、県人権・男
女共同参画課のまとめで分かった。課長級以上の職員に占め
る女性の割合の市町村平均は6・6%で、前年より0・5ポ
イント低下。伊那市や諏訪市など地域の中核都市でも女性管
理職がいない事例があった。

課長級以上の職員に占める女性割合が20%以上だったのは
東筑摩郡朝日村(40・0%)など5村。10%以上20%
未満は11市町村、10%未満(0%を除く)は15市町だ
った。

課長級以上41人で女性がいない諏訪市は「能力、知識など
を勘案し、男女の区別なく人事を決めている。男女共同参画
は時代の流れで当然。結果として、現時点ではいないとしか
言いようがない」(総務部)。61人のうち女性がいない伊
那市も「たまたまゼロだったが昇任は公平に扱っている。リ
ーダー研修などを活用し、女性幹部を育てていきたい」(総
務課)とする。

一方、各議会議員に占める女性の割合は6月1日現在、北佐
久郡立科町の41・7%(定数12のうち5人)を最高に1
6市町村が20%以上だった半面、19町村でゼロ。県内平
均は13・0%(総数1087人のうち141人)だった。
各市町村の消防団員に占める女性の割合は昨年4月1日現在、
いずれも下伊那郡の売木、根羽、天龍の3村が10%を超え
たが、22町村でゼロ。県内平均は2・4%だった。

県は県内市町村の課長級以上の管理職、議員などに占める女
性の割合に応じて市町村を色分けした「女性の参画状況」マ
ップを初めて作成。

12日に会見した加藤さゆり副知事は「子育て、介護、教育
など、女性によって担われている部分は非常に多い。女性の
意見を政策にきちんと反映していくことはとても大事だ」と
述べた。

ただ、県の課長級以上の職員690人のうち、女性は24人。
割合の3・5%(前年比0・1ポイント増)は市町村平均を
下回る。県人事課は「採用や研修、職域の拡大など、場面場
面で女性登用の環境整備を進めていきたい」としている。
(以上、信毎ウェブ版)
http://www.shinmai.co.jp/news/20121013/KT121012ATI090012000.php


「女性の参画状況」のマップを長野県が今年初めて作成
したとのこと。

やまねこは県のHPからマップを開いた。色分けされていて
分かりやすい。眼で違いが見えるので、効果的である。

●マップを開くと一覧表が掲載されている。市町村女性管理
職割合が全国平均10.4%のところ、長野県6.6%! 
この差は大きい!

マップと一覧表がこのページに転載できないので、女性割合
の高い順に、並べてみます。

市町村別、管理職の女性割合(%)

20%以上:朝日村40%を筆頭に南相木村、生坂村、筑北
村、泰阜村の5村。

20%~10%の市町村:
佐久市14%、千曲市12.8%、須坂市10.9%など11市町村。

10%未満~0%超の市町村:
飯田市9.8%、大町市9.7%、東御市9.7%、塩尻市9.2%、
富士見町9.1%、軽井沢町8.7%、飯山市8.3%、中野市7.4
岡谷市7.1%、辰野町7.1%、松本市6.6%、上田市5.35
茅野市4.8%、長野市4.7%、安曇野市4.7%の15市町村。

0%の市町村:
諏訪市、小諸市、伊那市、駒ケ根市、小海町、佐久穂町、
御代田町、下諏訪町、原村などの46市町村。

●市町村の女性管理職割合:
全国平均10.4%、長野県平均6.6


●一方、都道府県職員に占める女性管理職の割合は、次の
表です。長野県はここでも、大きく下回っています。

都道府県職員(管理職:課長以上)に占める女性の割合

総数(人)
うち女性
女性割合
備考
長野県
690
24
3.5%
H 24.4.1 現在
全国
35,602
2,280
6.4%
H 23.4.1 現在

●「女性の雇用を増大することで、日本は不況から脱出で
きる!」とのIMF勧告を、前回のやまねこ通信で紹介し
ました。これは黒船の到来であると、やまねこは考えてい
ます。

海から遠い長野県。黒船の姿はまだ見えないのでしょうか
?けれど、少子高齢化、勤労世代の非正規雇用の増大は長
野県も例外ではありません。

何よりも、県知事、それに市町村の首長の意識と意欲の高
さ、実行力が問われています。
男女共同参画の意欲の高さが、市町村の女性管理職の割合
を反映せずにはいないでしょう。

管理職登用の際、同じ能力だったら、女性を登用すればい
いのです。「子育て、介護、教育など、女性によって担わ
れている部分」が多い市町村行政。まずはこの分野から
性管理職を登用したら良いのに。


長野県と市町村職員の女性管理職が、全国平均を大きく下回るとの
ニュースは、前回のIMF専務理事ラガルドさんの話題から、一気に視
を足元に引き寄せ、やまねこの気分を盛り下げてくれます。でも、
がやまねこたちの暮す現実!

しっかりそこを見つめねば!
そうしてあきらめないこと!

やまねこの暮す茅野市の首長は、男女共同参画に対して、
どんな姿勢を向けているでしょう?それにしても、男女共
同参画って、いったい、どんなことなんでしょうね?

やまねこもメンバーである、ちの男女共生ネットは、茅野
市長との会談を112日(金)に予定しています。
みなさまお楽しみに。


うらおもて・やまねこでした。

2012年10月20日土曜日

「女性の雇用を増大することで、日本は不況から脱出できるのよ!オランダの先例にならったら良い!」IMF勧告


@@@@やまねこ通信227@@@@


はや3日前、火曜日の夜のことである。魚を料理して夕食
の支度をしているところに電話が鳴った。

「クローズアップ現代の・・・」ちずこさんである。
「ええ、そうでしたね」。
あわててテレビの電源を入れる。

左目の手術の日程が早まり、この日は手術から5日目だっ
た。仮のメガネもつくり、ほぼ平常に復帰したところ。
みなさまご心配を掛けました。

矯正視力1.5の見えすぎる感じのメガネを掛け、雨の中、
諏訪市の角上まで魚を買いに久しぶりに遠出した。

鱈汁、ニギスの塩焼き、スルメいかの塩辛とイカ足の塩
煮など、数日間で平らげるはずの夕食を楽しみながら作
っているところの電話だった。

もう始まっている。あやうく見逃すところ、間に合って
よかった。ちづこさんどうもありがとう。

●「女性は日本を(そしてアジアを)救えるか?」クロ
ーズアップ現代78分特別版が始まっていた。

キャスター国谷裕子さんの隣に、IMF(国際通貨基金)
の女性専務理事クリスティーヌ・ラガルドさんが並んでい
る。白髪の長身、赤と黒を上手に取り合わせた目が覚め
るほどに素敵なファッションでおなじみのラガルドさん。

●「日本の高齢化・少子化は、世界でも例を見ないほど
の勢いで進んでいる。働く人の数生産年齢人口は今
年から100万人単位で減少、近い将来、世界最低レベ
ルになると予測される。

「そんな中、日本の経済を立て直すには「女性をもっと
活躍させるべきだ」という緊急リポートが、今月IMF
(国際通貨基金)から近々、発表される。

●「日本は、出産や育児で仕事を辞める女性は6割以上、
女性の企業幹部もごくわずかと、先進国でも突出して女
性が活躍しにくい国。しかし、女性が家庭と仕事を両立
しながら能力を発揮することで、労働力の減少を補うだ
けでなく、新たなイノベーションを生み出し、男性も働
きやすい組織に変えるというのだ。

「女性も男性も皆がいきいきと働き生活できる社会にす
るにはどうしたらいいのか。 
出演者 クリスティーヌ・ラガルド さん(IMF専務理事)
長谷川 閑史 さん(経済同友会 代表幹事、武田薬品工業社長)
山極 清子 さん(株式会社wiwiw社長)宮本 太郎 
さん(北海道大学教授)駒崎 弘樹 さん(NPO法人フ
ローレンス代表理事)(以上、番組紹介サイトよりの引用)

●この番組は、先ごろ日本で開かれたIMF世界総会に
来日したラガルドさんが、日程を延長して出演した番組で
ある模様。

●ラガルドさんが語っている。
「女たちは働きに出る時、子どもに対して罪の意識を抱く
のです。私もそうでした。けれど子どもは、母のみでなく、
信頼できる人に預けられる時間が大切なのです」。
「パートナーは協力的だったけれど、子育てに対して責任
は感じていなかった」とプライベートな話も。

●子育ての時期にある女性、それに男性に対して、企業が
理解を示すと良い、と番組では語っている。

けれど日本では、雇用そのものにおいて固定的ジェンダー
分業が変わっておらず、不況であればなおさら、その傾向
が強まっている。

「男の仕事がないのに、女の雇用なんて問題外だよ」こん
な空気が、やまねこの周辺でも感じられる。
子どもが生まれたら、女が会社を辞めるしかない。男性が
育児をする習慣が育っていない。

オランダの先例にならうと良い!
オランダでは、働く女性はかつて20%だったが今では8
0%。その結果、長い不況から脱出することができた。オ
ランダの奇跡と呼ばれている。

こんなケースが示された。
4日勤務する女性はパートタイマーでしかも管理職。
フルタイマーとパートタイマーは、同一労働同一賃金の原
則。パートからフルタイマー、あるいはその逆に、変更が
容易であるという。この家族は、夫もパートタイマー。夫
婦の二人合わせて賃金は1.5人分。

夫が語った。「家庭を犠牲にして仕事に捧げる時代は終わ
った」。

女たちが働きやすい制度に転換してからのオランダは、税
収が増大し年金が安定し、職業訓練がなされ、多数の勤労
者が救済された。パートタイマーの地位が向上した。男性
の選択肢が増え、女性の選択肢も増えた。

日本でも、ある通販会社は、勤務時間を6時間に短縮し、8
時間労働と同じ給料にした。9時から3時の勤務になった女
性社員は、3時から仕事を兼ねてショッピングした。夕食の
買い物を済ませて帰宅するとまだ5時。夕食をゆっくり作っ
て帰ってきた夫と食事する。こんな勤務なら、これから子
どもをつくって育てられるかもしれないと考えるようにな
った。

●主婦の能力に注目せよ!
主婦は短時間で多種類の仕事をこなすことに慣れている。
同時にいくつもの仕事をこなすことが当然の家事労働。と
ころが、企業はそこを評価していない。
主婦が企業で試験的に勤務するインターンシップを、国を
挙げ、民間企業、大学が力を合わせ、女性のキャリアデザ
イン支援としてオランダは行っている。日本でもしたらい
いのだ。

短時間労働は、生産性の上がる質の高い労働である
自分の時間をもちたい女たちはパートを望む。そこでIM
Fは日本にオランダをモデルにするように勧めている。

家族と仕事の両立で、企業も従業員もうまくゆく。winwin
ゲームである。

夫の帰宅時間は、日本では夜の11時が平均的。
女にはとても入ってゆけない世界である。
けれど、それで果たして、生産性は高いのだろうか?
オランダでは、定時より2時間の残業しか認められていな
いという。

長時間勤務は男性社会の仕組みである。それが足かせにな
り、女性が働きにくい。結果、女性の資源が生かされてい
ない。

経済同友会代表理事、武田薬品工業社長の長谷川さんは語る。
「がむしゃらに働けば生産性が上がるのではない。
ダブルインカムウィズキッヅの方向に向かいたいものだ」。

生活と経済のつながりを生かす。多様な人生を、男も女も
歩む必要。そうすれば、女性が出産と同時に退職するため、
30代の女性の就業率がドーンと落ち込んでしまう「M字カ
ーブ」を解消することにつながる。

●韓国の挑戦
女性の管理職が日本と同様に少なかったアジアの隣国韓国
が解決に乗り出している。
従業員500人以上の企業での女性の管理職率が16%を越える
うに促す。
女性の国家公務員30%をめざす。
「逆差別」との意見もあるが、担当の公務員が、4~5週間
企業を指導する。高等教育を受けた女が働かなくては、国
家の損失である。

韓国の電機メーカーLG社では女性役員が3人登場した。
キム社長は語る。「女性役員は企業を活性化している」。
女性はコミュニケーション能力にすぐれている。女性社員に
変化が生まれつつある。

社内の「子どもの家」
LG社社内に「子どもの家」が設けられ、7時~20時まで運
営。社内で母たちのネットワークが生まれ、出産後退職する
女たちが減少した。女性を生かすことが企業にプラスである。

●日本の食品メーカー、カルビーは女性管理職を増やそうと
している。
まずは社員の意識に問題があった。
第一に、女性管理職を男性は嫌う。第二に、女性は昇進を望
まない。特に製造業だと、機械は男の世界との先入観が邪魔
をした。
女性管理職に対し、上司は伝えた。
「男のまねをしなくていい。」
結果、目標を上回る利益が出た。彼女のコミュニケーション
力が生きたのだった。

女性管理職実現のための手法は、こんなにある!
ラガルドさんは語る。
女性管理職のロールモデル、メンター制度、トレーニング、
責任ある仕事のトレーニング、が必要。
IMFで管理職を選ぶ際には、能力が同じであれば、私は
女性を選びます」。

上からの引き上げと、下からのボトムアップ、すなわち本人
の志を強くすることの両方が大切とも。

ところが日本の国内で、女性管理職の数値目標の実態調査を
したところ、数値目標なしの企業が58%だった。けれど、
すでにある企業も37%にのぼっている。

●ラガルドさんは最後に語った。
「女性が男性に劣ることは何もない。社会の問題を一つ一つ
解決してゆきましょう」。
国谷さん「女は日本を救えるでしょうか?」
ラガルドさん「もちろんですとも!優秀で教育水準の高い女
性が沢山いるのですから」。
「クロ現」はこれで終わった。

●男性が支配する社会の先行きが、過度の競争、戦争の結果、
真っ暗で救いようのない状態に転落した時、「女が世界を救
う!」ことが、幾度も期待されてきたとやまねこは感じてい
る。戦後がそうだった。大災害の後もそうである。原発事故
の後も、女たちが希望を生み出す役を期待されている。

やまねこは思う。今後は女たちが、社会の政策決定にことご
とく参加して、利益至上主義、軍備増強にくさびを打ち込む
役割を果たさねばなるまい。困った時だけ、女に期待するの
は、これで打ち止めにしてほしい!

女性閣僚、首相が登場しても、世界はなかなか変わらない。
「女の政治家がいてもダメだ」と、早めの結論を語る男性が
少なくない。

それは違う、とやまねこは思う。
女性の閣僚、議員、企業のトップが一人二人ではなく、少な
くとも、全体の4割、5割以上にならなくては。そうしてはじ
めて、世界が変わったことが誰の眼にも見えるようになるだ
ろう。

●最後に、IMF初の女性専務理事ラガルドさんの登場がき
わめて衝撃的だったことを書かねばならない。

ラガルドさんが就任したのは、前任者ドミニク・ストロスカ
ーンがNYのホテルで、サービス係のアフリカ系女性を強姦
して告訴され、それ以前にも、レイプ加害の前歴が一度や
度でなかったことが明るみに出て失脚した後だった。
昨年5月のことである。

フランス大統領は現在、社会党のオランドである。ストロス
カーンは社会党の大統領の最も有力な候補と伝えられていた。

やまねこ通信バックナンバーをご覧ください。
@@@やまねこ通信82@@@
IMF専務理事、NYのホテル従業員強姦で逮捕

@@@やまねこ通信83 @@@
ホテル客室係、西アフリカ出身、シングルマザー

@@@やまねこ通信115 @@@
信州の女たち、東電女子社員殺害事件、IMF理事強姦被害者潔白を主張

●前任者ドミニク・ストロスカーンの性暴力スキャンダル
辞任後に就任した、初の女性IMF専務理事ラガルドさんは、
自分の役割を十二分に理解していることが見受けられた、と
やまねこは思う。

ラガルドさん率いる「IMF勧告」という名の黒船が、沈み
つつある日本を訪問している。やがて勧告の全容が紹介され
るだろう。

この国の政府はこれをどう受け止めるだろう。
一人一人の市民である私たちは、「IMF勧告」から力を得
て、どうやったら、賞味期限が切れたのに動こうとしない、
重たいこの国の男性社会を切り崩すことができるだろう。


うらおもて・やまねこでした