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2011年6月11日土曜日

脱原発、「人と人」、関係見直し、第一歩!

@@@やまねこ通信96@@@

脱原発、「人と人」、関係見直し、第一歩!(字余り)

「原子力発電を見直そう!」との緊急勉強会が、「環境会議・諏訪」
の主催で開かれる。
会場は下諏訪市民センター小ホール。午後1:304:30

小出裕章さんのUstreamを会場で1時間、共有する予定。その後、環境
運動の活動をされた方など4人の発言がある。やまねこ以外男性ばかり
である。
 
「戦後日本の民主主義は何だったのか?」との視角からやまねこは発
言する。

環境運動はこれまで、企業による環境破壊、大気汚染、水質汚染、地
球環境に及ぼされる「モノ」の悪影響、その改善について考えること
が多かったと思う。エネルギー問題は、化石燃料使用から再生可能な
エネルギー、循環可能な社会への転換が語られた。


これは「モノ」の転換であり「モノ」と「モノ」の関わりを変える仕
組みの提案である。
長かった戦後保守政治は、公共工事などの「モノ」作りに、予算をい
かに振り向けるかの抗争であった。どの地域に「モノ」をより多く作
るか。

野党は保守政権を批判するにあたって、別の分野に「モノ」を振り向
けること、「モノ」を撤去する、新設することを提案していた。ここ
でも「モノ」と「モノ」、「モノ」と人の関係が中心だった。

菅直人首相が近々退陣する。「菅おろし」のため、野党である自民党
とまで手を組み、手を尽くした小沢グループの面々は、長かった政権
党の手法そのままの政治をいまなお続けている。その政治が続く限り、
彼らの政治生命は継続する。その政治が終わったら、もうゴミ箱行き
の連中であろう。

新人代議士が同じ姿勢に編成されてゆくありさまはブリキの兵隊さな
がらである。
その通り、今日の日本は、首相官邸から官庁、原子力保安院、東電の
どこを見ても、同じ顔したブリキの兵隊が行進している。
どの面々も、前例主義、権威主義のカタマリである。

「人と人」の新しい関係を関係を「民主化」と呼ぶことにしよう。
本の社会では「民主化」がなかなか進んでいない。小学校で学んで
いるはずの議論の仕方さえ、根付いていない。

どうしてこうなのだろう。日本は敗戦後、占領軍によって「民主化」
されたのではなかったか?
軍閥が追放され、戦前の指導者は追放されて巣鴨プリズンに収監、
戦犯として東京裁判にかけられた。財閥も解体され、革命的といわれ
る農地解放も行われた。左翼政党も活動は歓迎され女性の解放も進め
られたのでなかったか。

ところが違うのである。何かおかしいんだよね。やまねこなどが、か
ねがね抱いていた疑問に対して回答を示す本が現れた。
題して『大本営参謀は戦後何と戦ったのか』(新潮新書2010)
著者有馬哲夫氏は、米国の国立公文書館で着々公開されてゆく占領期
の秘密文書を解読している。

米国の図書館は、自国に不都合な文書は公開しないであろう。日本に
も占領期の秘密文書があり、双方を読むことで全容が解明されるはず
だ。ところが日本政府はまだ発表しない。歴史の解明における資料の
不平等がそのままになっている。これこそ、人と人の間の関係性の問
題ではないのか。

占領期の秘密文書を読んでゆくと、占領軍による戦後の「民主化」は、
あっというまに棚上げされ、重要性が格下げされたことが分る。

なぜだろう。米ソの冷戦の激化であった。占領日本を「反共の防波堤」
とするため、「経済復興」が最優先された。これを実現するため、戦
時中の政治家、軍閥が復活し財閥が再編されてゆく。

転換の節目は1947年のソ連核実験であった。実は米国は共産主義圏と
の最終戦争に備え、戦争中の1942年からマンハッタン計画を実行して
いた。そこでつくられた世界最初の原爆の効果を、ヒロシマ、ナガサ
キで実験し、「大成功」に祝杯をあげた。

ソ連が核兵器を所有したら、米国の核独占計画は破たんする。ソ連、
社会主義化した中国に隣接する日本は非常に重要な土地になった。
「反共の砦」これが日本の役目である。

日本の共産主義化を警戒するため、「民主化」なんてどうでもよくな
った。その結果がどうなったかは、何をみれば分るのか。

戦後日本の「経済の高度成長」と「民主化」の指標、「女性と子ども
たち」政策の現実を国際比較すればいいのだ。

経済は1968年以後、今年中国にその座を奪われるまで、GDP世界2
であった。原発保有高は世界3位であった。
ところが女性の社会での地位は、世界134カ国中、96位である。健康長
寿は1位であるにもかかわらず、政治的進出が101位のため足を引っ張
っている。

高所得国のみのランキングでは、日本は46カ国中37位。下から8位で、
付近にはイスラム圏の石油産出国が多い。韓国は日本よりさらに二つ下
である。

子どもについての指標は、「子どもの権利条約」批准の順位を見れば
わかる。日本は109番目に署名し1994158番目に批准した。保守党の
長期政権は、「子どもの生存権」を理解することができなかったので
ある。

「子どもに権利、権利といわせるのは問題だと思うんですよ」。
長野県の民主党が県の政策として日程に上げているのに、民主党県会議
員でありながら、こう語った男性がいた。自民党の政権政党担当者が長
らく語って来たと同じ言葉である。
これほどに日本の国では子どもの地位が低い。
「女性と子ども」の二つの指標が、日本の民主化の低迷を象徴している。

原発事故の問題が報道されればされるほど、日本社会の隅々にゆきわた
る共通した化石的問題に直面する。
権威主義、慣例主義、それに利益至上主義である。

原発事故で明らかになったのは、代替エネルギーにすればいいとか、
地震の影響が少ない場所に作ればいいとかいう「モノ」の問題ではな
かった。政策推進の官庁、企業、学界、政界の一体となった、「人と
人」の関係が根本的に問題であることが明らかである。

原発の危険、津波の危険を予知する装置「モノ」がなかったのでは
ない。そうではなく、権威主義が邪魔して、反対意見に耳を傾ける姿勢
がなかったのである。これは戦争中の日本も同じだった。

「第二の敗戦」の今こそ、脱原発のためには、「人と人の関係」見直
しが第一歩であることを、今日、やまねこは語る予定である。
会場にお越しになれないみなさまに、概要をお届けいたします。

社会の中の身分差、階級差を放置して、エネルギーを変えても、それ
はいったい誰にとって幸せな社会になるのだろう。

写真家の樋口健二さんは「被ばく労働者」の写真集を出版し、原発、
日本のエネルギー政策が隠れた奴隷制を抱えていることを告発して
来た。

今日なお、それが続いていることが報道であきらかになった。次に
ペーストします。 

ウソ求人で原発派遣の労働者、3日間線量計なしで活動
大阪市西成区のあいりん地区で、宮城県女川町での運転手の仕事に
応募した大阪市の60代男性が福島第1原発で働かされていた問題
で、西成労働福祉センターは9日、男性と業者に聞き取り調査し、
男性が原発敷地内で約2週間、防護服を着用して給水作業に従事し
ていたと明らかにした。男性は「4日目にやっと線量計が配られた」
などと話している。

一方、募集した業者は、混乱の中で誤った仕事内容を伝えたと釈明
している。
 「宮城県女川町、10トンダンプ運転手、日当1万2000円、
30日間」。この求人情報に応募した男性は、防護服と防じんマス
クを着用させられ、福島第1原発の敷地内へと放り込まれていた。

 同センターによると、男性は3月19日に大阪を出発。岐阜県で元
請け業者と合流後、特に説明がないまま原発事故の対応拠点「Jヴィ
レッジ」(福島県広野町など)に到着。この時点で初めて、原発敷地
内で作業することに気付いたという。

 同20日からの作業は1日約6時間。原発5、6号機冷却のため、
給水タンクにホースやポンプを設けて給水車に水を移し替える内容だ
った。男性によると「4日目にやっと線量計が配られた」。放射線の
情報や健康被害に関する説明は乏しく「精神的ストレスで心臓がパク
パクする感じ。長生きなどいろんなことを諦めた」と振り返った。そ
の後計測した被ばく線量は基準値以下だった。

 男性を雇った業者「北陸工機」(岐阜県大垣市)は東京電力の3次
下請け。当初、「元請けの建設業者から『現場は女川』と言われ、大
阪で募集した」と主張したが、9日になって「(元請けから依頼があ
ったのは福島第1原発での作業だったが)混乱の中で(誤って)女川
町の現場を伝えてしまった」と釈明した。一方、愛知県の元請け業者
は「福島第1原発付近で散水車の運転手と業務内容を伝えたが、
原発敷地内の作業とは言っていなかった」と話している。うその労働
条件を提示して労働者を集めたり契約を結んだりするのは職業安定法
や労働基準法に抵触する恐れがあり、大阪労働局が調査している。

 原発の現場では4月中旬ごろから「原発建屋内なら(募集時の賃金
の)3倍」「退避区域なら1・5倍」など、危険手当ともいえる
作業員の賃金体系を業者ごとに設定。男性も最大で募集時の条件の倍
に当たる日当約2万4000円を受け取ったが「おかしいと思ったが
物を言える雰囲気ではなかった。賃金も仕事に見合っていない」と
話した。以上引用終わり。

うらおもて・やまねこでした。

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