@@@やまねこ通信298号@@@
小出裕章さんってどんな人?科学者の社会的責任
小出裕章さんが諏訪地方を訪問中である。
毎週金曜日夕方、上諏訪駅前の脱原発すわアクションに、
本日合流されたことを伝え聞いた。やまねこは昨年6月
から上諏訪に出るのをお休みしている。アクションのみ
なさん、お世話になります。
明日は、5月3日憲法集会、会場は諏訪市文化センター。
小出裕章さんの「原発と憲法」講演会開催の日である。
小出裕章さんは、3.11東電福島原発事故以後、メディア
に登場した科学者である。京都大学原子炉実験所の助教。
原子力安全研究が専門の工学者である。
3.11の東京電力福島第一原発事故以後、今後どんなこと
が起こりうるかを着々メディア通じて警告し、東電、経産
省、保安院などいわゆる「原発ムラ」の対応を厳しく批判
してきた。
やまねこは3.11以後、原発事故のTV番組、新聞を追跡した。
その中で、「原発ムラ」の説明が、社会の方を向いておらず、
理解できる言葉で語ろうとの努力をしていないことに気づい
た。国民のほとんどが気づいたことだった。
むしろ「原発ムラ」の面々は既成の体制、権益を守るために、
ウソを平気でつく人々であることが判明した。腹が立って仕
方がなかった。それは今も変わらない。
そこに登場した京大助教の小出裕章さん。
「原発ムラ」のあやふや説明とは正反対。明晰な解説で事故
を起こした原子炉がどうなってゆく可能性があるかを、しっ
かり人々に伝え、今後起こりうる事柄を警告してきた。
良心ある科学者の登場だった。テレビだけでは不十分なので、
インターネットで検索し、動画で発言を聞いた。
●東電福島第一原発の事故現場には地下水が山から流れ込み、
水があふれて海に流れ出すので、タンクに汲み取っては隣接
地に並べている。タンクの数が増えるばかり。これから何本
必要なのか、誰にもわからない。
やまねこの記憶するところ、3.11の翌年の正月に、小出さん
はこのことを警告していた。早急に原子炉をとりまく鉄の塀
を地下に打ち込み、地下水が原子炉に流れ込み汚染水が外に
溢れることがないように対策するようにと。
当時、それを実行していれば、今、どんな展開を見せていた
だろうと訊ねたい。これはほんの一例である。
●小出裕章さんは1949年、東京上野生まれの江戸っ子。
京大熊取六人衆(くまとりろくにんしゅう)と呼ばれる仲間
の一員である。彼らは、原子力利用の危険性について研究し、
追究し続けてきた京都大学原子炉実験所「原子力安全研究グ
ループ」の6人の科学者・工学者である。
京大熊取六人衆(くまとりろくにんしゅう)と呼ばれる仲間
の一員である。彼らは、原子力利用の危険性について研究し、
追究し続けてきた京都大学原子炉実験所「原子力安全研究グ
ループ」の6人の科学者・工学者である。
HPには次のようなメッセージが書かれている。
「原子力災害、放射能汚染など、原子力利用にともなうリス
クを明らかにする研究を行い、その成果を広く公表すること
によって、原子力利用の是非を考えるための材料を社会に提
供する」。
小出さんの発言は、この理念の伝える決意を着々実行した軌
跡である。目下、アマゾンで検索すると、100冊を越える
著書がある。
●小出裕章さんのことを知りたいと思い、wikipediaを開いた。
どうして脱原発の道に進むようになったのか?
小出さんが東北大学在学中、当時女川町に建設予定だった
女川原子力発電所に対し地元住民が反対する現状を知る。
このとき、彼ら(反対住民)が主張する「(原発が)安全
ならば、なぜ仙台市に建設しないのか」という問いに対す
る答えを見出さなければならないと考え、答えを導き出す。
その答えとは、「(原子力とは)都会では引き受けられない
リスクを持っている。したがって、電力消費地に近い都会で
は建設が困難なため、こうしたリスクを過疎の街に押し付け
ようとしている」というものであった。
この答えに到達して以降、自らの原子力に対する考えと人生
についての選択肢を180度転換させる。「この事実はとても認
めることはできない、止めさせよう、これからは原子力を止
めさせる方向へ自らの力を注いでいこうと決心した」。
(以上、引用終わり)
●東京電力福島第一原発はじめ、日本の原発では「安全神話」
が前提になっていた。事故は起こらないという神話である。
「安全神話」のため、事故対策は不要となり、事故の際の避
難訓練も不要になった。
この荒唐無稽な神話を信奉する研究者ばかりが東電、経産省、
保安院、東大などのポストを埋めていた。膨大な研究費が毎
年使われていた。
この研究者らと、小出裕章さんは、何が違うのだろう?
それは「科学者の社会的責任」ということではないだろうか。
社会的責任を果たしている京大のスゴイ研究者、熊取6人衆
の中に、教授は一人もいないことに驚かずにいられない。
ここに至るまでに、小出裕章さんはどんな岐路に立たされた
のだろう?家族の理解と協力は得られたのだろうか?機会が
あればこんなことを聞いてみたいような気がする。
●明日の憲法フェスティバルでは、さまざまなイベントが開
かれる。諏訪ふるさと合唱団、半田ミユリ一人がたり、葦木
美咲ミニライブ、下諏訪の木遣りなど。
出店では、フィリッピン女性の人権を守る、ブックロードバ
ッグを、仲間と協力して販売する。
脱原発すわ連絡会の行事では、常に無料託児を行う。無料託
児の提案者であるやまねこは、毎回保育者との連絡係りを務
める。
最後に、講演会後の質疑応答の会で司会をする。諏訪地域の
大勢の友人、知人にお目にかかれる良い機会でもある。
諏訪市文化センターが1000人規模の聴衆で埋まるといい
のだが。
うらおもて・やまねこでした。
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