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2014年5月3日土曜日

やまねこ通信298号:小出裕章さんってどんな人?科学者の社会的責任

@@@やまねこ通信298号@@@

小出裕章さんってどんな人?科学者の社会的責任

小出裕章さんが諏訪地方を訪問中である。

毎週金曜日夕方、上諏訪駅前の脱原発すわアクションに、
本日合流されたことを伝え聞いた。やまねこは昨年6月
から上諏訪に出るのをお休みしている。アクションのみ
なさん、お世話になります

明日は、5月3日憲法集会、会場は諏訪市文化センター。
小出裕章さんの「原発と憲法」講演会開催の日である。

小出裕章さんは、3.11東電福島原発事故以後、メディア
に登場した科学者である。京都大学原子炉実験所の助教。
原子力安全研究が専門の工学者である。

3.11の東京電力福島第一原発事故以後、今後どんなこと
が起こりうるかを着々メディア通じて警告し、東電、経産
省、保安院などいわゆる「原発ムラ」の対応を厳しく批判
してきた。

やまねこは3.11以後、原発事故のTV番組、新聞を追跡した。
その中で、「原発ムラ」の説明が、社会の方を向いておらず、
理解できる言葉で語ろうとの努力をしていないことに気づい
た。国民のほとんどが気づいたことだった。

むしろ「原発ムラ」の面々は既成の体制、権益を守るために、
ウソを平気でつく人々であることが判明した。腹が立って仕
方がなかった。それは今も変わらない。

そこに登場した京大助教の小出裕章さん。
「原発ムラ」のあやふや説明とは正反対。明晰な解説で事故
を起こした原子炉がどうなってゆく可能性があるかを、しっ
かり人々に伝え、今後起こりうる事柄を警告してきた。

良心ある科学者の登場だった。テレビだけでは不十分なので、
インターネットで検索し、動画で発言を聞いた。

東電福島第一原発の事故現場には地下水が山から流れ込み、
水があふれて海に流れ出すので、タンクに汲み取っては隣接
地に並べている。タンクの数が増えるばかり。これから何本
必要なのか、誰にもわからない。

やまねこの記憶するところ、3.11の翌年の正月に、小出さん
はこのことを警告していた。早急に原子炉をとりまく鉄の塀
を地下に打ち込み、地下水が原子炉に流れ込み汚染水が外に
溢れることがないように対策するようにと。
当時、それを実行していれば、今、どんな展開を見せていた
だろうと訊ねたい。これはほんの一例である。

●小出裕章さんは1949年、東京上野生まれの江戸っ子。
京大熊取六人衆(くまとりろくにんしゅう)と呼ばれる仲間
の一員である。彼らは、原子力利用の危険性について研究し、
追究し続けてきた京都大学原子炉実験所「原子力安全研究グ
ループ」の6人の科学者・工学者である。

HPには次のようなメッセージが書かれている。

「原子力災害、放射能汚染など、原子力利用にともなうリス
クを明らかにする研究を行い、その成果を広く公表すること
によって、原子力利用の是非を考えるための材料を社会に提
供する」。
小出さんの発言は、この理念の伝える決意を着々実行した軌
跡である。目下、アマゾンで検索すると、100冊を越える
著書がある。

●小出裕章さんのことを知りたいと思い、wikipediaを開いた。
どうして脱原発の道に進むようになったのか?
小出さんが東北大学在学中、当時女川町に建設予定だった
女川原子力発電所に対し地元住民が反対する現状を知る。

このとき、彼ら(反対住民)が主張する「(原発が)安全
ならば、なぜ仙台市に建設しないのか」という問いに対す
る答えを見出さなければならないと考え、答えを導き出す。

その答えとは、「(原子力とは)都会では引き受けられない
リスクを持っている。したがって、電力消費地に近い都会で
は建設が困難なため、こうしたリスクを過疎の街に押し付け
ようとしている」というものであった。

この答えに到達して以降、自らの原子力に対する考えと人生
についての選択肢を180度転換させる。「この事実はとても認
めることはできない、止めさせよう、これからは原子力を止
めさせる方向へ自らの力を注いでいこうと決心した」。
(以上、引用終わり)

●東京電力福島第一原発はじめ、日本の原発では「安全神話」
が前提になっていた。事故は起こらないという神話である。
「安全神話」のため、事故対策は不要となり、事故の際の避
難訓練も不要になった。

この荒唐無稽な神話を信奉する研究者ばかりが東電、経産省、
保安院、東大などのポストを埋めていた。膨大な研究費が毎
年使われていた。

この研究者らと、小出裕章さんは、何が違うのだろう?
それは「科学者の社会的責任」ということではないだろうか。

社会的責任を果たしている京大のスゴイ研究者、熊取6人衆
の中に、教授は一人もいないことに驚かずにいられない。

ここに至るまでに、小出裕章さんはどんな岐路に立たされた
のだろう?家族の理解と協力は得られたのだろうか?機会が
あればこんなことを聞いてみたいような気がする。

●明日の憲法フェスティバルでは、さまざまなイベントが開
かれる。諏訪ふるさと合唱団、半田ミユリ一人がたり、葦木
美咲ミニライブ、下諏訪の木遣りなど。
出店では、フィリッピン女性の人権を守る、ブックロードバ
ッグを、仲間と協力して販売する。

脱原発すわ連絡会の行事では、常に無料託児を行う。無料託
児の提案者であるやまねこは、毎回保育者との連絡係りを務
める。

最後に、講演会後の質疑応答の会で司会をする。諏訪地域の
大勢の友人、知人にお目にかかれる良い機会でもある。

諏訪市文化センターが1000人規模の聴衆で埋まるといい
のだが。


うらおもて・やまねこでした。



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