@@@やまねこ通信319号@@@
「誰も私の言葉を聞いてくれない」との悲しみが重い心身症に、カサンドラ症候群って聞いてる?」
誰も私の言葉を聞いてくれない。「私はまるでカサンド
ラだ」。こう思うことはありませんか?
身近で共同作業をして、やりとりがあるのに、「ありが
とう」「すみません」の言葉を返さないひと。廊下です
れ違っても会釈せず、顔を背けてゆくひと。何を語って
も共感を示さないひと。情緒がないのかしらと思えるひ
と。
こんなひとが周囲にいて、へとへとに疲れたことありま
せんか?
「ありがとうって言ってもらうために、あたし、仕事し
てるんじゃないから」初めはこう思うかもしれない。
けれど、それがたび重なると、重い心身症につながるこ
とがある。
自分が原因ではなく、周囲のひとによって引き起こされ
る二次症状の心身症状、それがカサンドラ症候群である。
▲カサンドラ症候群とは、狭い意味では、アスペルガー、
情緒障害のひとと身近に接するひとが受ける被害、心身
の症候群である。
こんな症状が出てくる。
自尊感情の低下、感情の混乱や当惑、怒り、抑うつ、不
安の感情、罪悪感、自己喪失、恐怖症(社会恐怖症、広
場恐怖症)心的外傷後ストレス反応、疲労、不眠症、偏
頭痛、体重の増減。
カサンドラって誰?
カサンドラは「人々から決して信じてもらえない予言者」。
ギリシャ神話に登場するトロイの王女の名である。アポ
ロンは彼女に恋して予言の能力を授ける。けれどアポロ
ンの愛が冷めて自分を捨て去っていく未来が見えたカサ
ンドラは、アポロンの愛を拒絶する。怒ったアポロンは
復讐として、「カサンドラの予言を誰も信じない」とい
う呪いをかける。カサンドラは予言の能力を残された。
けれど未来の出来事を変えることができず、予言の正当
性をひとびとに納得させることもできない。結果、カサ
ンドラの名は、正しい予言をしているのに、誰も耳を傾
けることのない預言者を意味するようになる。
★カサンドラ症候群について、Wikipediaの記述を手がか
りに紹介してゆこう。そこではアスペルガー(AS)の人
とその配偶者に特化した記述がなされている。むしろ「
情緒表現に障害あるひと」一般に拡大しASは男性に多い
が、男性と限らずに受け止める方が理解しやすいと思う。
★印は、やまねこのコメントです。
カサンドラ症候群;カサンドラ情動剥奪障害アスペルガ
ー症候(AS)の人物がパートナーと情緒的な相互関係が
築けないためにパートナーたちに生じる、身体的・精神
的症状を表す言葉である。同居するパートナーばかりで
なく、同僚、友人の場合もありうるので、「パートナー」
を多様に捉えるといい。
アスペルガー症候群の人物を配偶者に持ったパートナー
は、コミュニケーションが進まず、相手に理解してもら
えないため、自信を失ってしまう。また世間的には問題
なく見えるアスペルガーの人物に対する不満を語る場合
にも、人々から信じてもらえない。その葛藤から精神的、
身体的苦痛が生じる。
症状としては偏頭痛、体重の増加または減少、自己評価
の低下、パニック障害、抑うつ、無気力などがある。カ
サンドラ症候群の悩みを訴える者のブログも多く見られ、
アスペルガー症候群のパートナーを持つ者の二次障害と
して深刻な問題となっている。
★大切な注意事項:カサンドラ症候群について理解を深
めることは、ASの人物を否定するためでも差別を助長す
るためでもない。むしろAS-非ASの夫婦はその夫婦間に生
じる問題の原因に向き合い、適切な支援を受け、パート
ナーが相互により良い生き方を模索するための仕事であ
る。
カサンドラ症候群はパートナーだけでなく、家族、友人、
会社の同僚にも起こりうる。カサンドラ症候群を知るこ
とは、定型-非定型間のコミュニケーションのあり方を認
識することであり、ASの社会的認知度を高めることにも
役立つ。(もちろん、「情緒障害」一般に対しても同じ
ことがいえる。)
★なぜこのような症状がうまれるのだろう?
カサンドラ症候群は二次障害である。人と人との関係に
おける認識の欠如の結果うまれるのであって、人格障害
とは異なるものである。情緒的な相互関係、愛、所属は、
人間の本質的な要求であり、これらが満たされず、しか
もその理由が分からない時、心身の健康が影響を受ける
可能性が生まれる。
人間は感情的エネルギーを必要としており、それは日常
生活で幸福を見つけるために欠かせない源である。ASと
の結婚において感情的エネルギーで自分を満たすことは
難しい。支え合うというエネルギーの交換が起こらない。
非ASのパートナーはエネルギーを差し出すが、ASのパー
トナーから受け取るものはほとんどなく、常に消耗する。
カサンドラ症候群は、パートナーが相互に原因を理解し
受け入れることによってのみ、克服あるいは軽減が可能
になる。つまり、パートナーがASの知識を持ち、当事者
がASを自覚していることが前提となる。
互いの違いを理解し、コミュニケーションや感情表現・
愛情の示し方のより良い方法を見つけるために、パート
ナーの両方が相手のために勉強して協力するなら、二人
の関係はうまくいくことがある。しかし、当事者本人も
周囲もASに気づかないまま大人になっている場合も多く、
そのことがカサンドラ症候群の克服を難しいものにして
いる。
★コミュニケーションが取れないひとがいる。
コミュニケーションのほとんどは非言語コミュニケーシ
ョンで、言語コミュニケーションはごく一部にすぎない
言われている。自閉的特性の濃厚な人は、非言語コミュ
ニケーションに属する「暗黙の了解」が不十分であると
考えられる。そのため、コミュニケーション全体が不十
分で、スムーズではなくなる。
★どんな特徴のあるひとが引き起すのか?
人によってASの症状はさまざまである。穏やかな人もい
れば、感情が激しやすい人もいる。一生懸命やっても仕
事がうまくいかない人もいれば
、有名大学卒や大企業
に勤務する人もいる。
ASの人は極めて論理的な思考の持ち主なので、構造化さ
れた環境で適職に就いた場合は、その力を発揮できる可
能性がある。あるいは、ASの人はむしろ知的には高いこ
とも多いので、周囲が障害に気づかず、「ちょっと変わ
った人だな」と思われるだけで済んでいることもある。
★むしろ、学業成績が優れているため、両親が見過ごす
場合が多いだろう。「あの子には、きっと自分の考えが
あるのよ」。エリート大学に進学すると、それだけで周
囲が何でも許してしまうところが、この国の社会の恐ろ
しいところだ。結婚した配偶者は、共依存になるため、
カップル以外のひとが訴える「障害」を理解できず受け
付けない傾向がある。
★カサンドラ症候群はどんな症状なのか?
次の3つの要素
1 当事者またはパートナーの一方が、心の知能指数/
共感指数が低く、もしくはアレキシサイミア(失感情症)
である。
2 人間関係の相互作用や経験を害する精神的および身
体的(またはどちらか一方)なマイナスの症状、具体的
には、以下の各カテゴリーに1つ以上該当している。
3 少なくともパートナーの一人が次の診断基準の1つ
以上に該当している:感情知能が低い、もしくはアレキ
シサイミアである、共感指数が低い、人間関係の面で次
の1つ以上に該当する。
激しい対立関係、家庭内虐待(精神および身体、または
どちらか一方)人間関係の満足感の低下、人間関係の質
の低下。
★起こりうる精神的または身体的症状
自尊感情の低下、感情の混乱や当惑、怒り、抑うつ、不
安の感情、罪悪感、自己喪失、恐怖症(社会恐怖症、広
場恐怖症)心的外傷後ストレス反応、疲労、不眠症、偏
頭痛、体重の増減。
★以上、Wikipediaを噛み砕いて解説しました。さらに詳
しく知りたい方は、Wikipedia「カサンドラ症候群」を開
いてください。
▲「聴く耳を持たぬ政権」を相手にしているこの国のみな
さん。
あなたの疲労はもしかしてカサンドラ症候群ではありませ
んか?
身体も気持ちも梅雨時、疲労が取れない、怒りと抑うつが
交互にあらわれる。
これがカサンドラ症候群です。
うらおもて・やまねこでした。
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