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2012年5月17日木曜日

女性役員のいない会社、異論が言えない組織はオリンパスだけのものか?


@@@@やまねこ通信195@@@@

 浜田正晴著「オリンパスの闇と闘い続けて」(浜田正晴著
光文社1470円)という本の書評を読んだ(毎日新聞5/13)。

数年前まで営業の第一線にいた著者は、取引先の秘密情報を
知る社員を引き抜こうとした上司の行為を不正と考え、社内
のコンプライアンス窓口に通報。

ところが秘密は守られず、上司の知るところとなり、たちま
ち閑職へと追われた。配置転換無効の確認を求めて提訴、東
京高裁で昨年8月逆転勝訴した。

著者が弁護士を探して訴えを起こし法廷闘争を続けながら会
社勤めをした苦労が描かれている。

「正しいことでも異論を唱えれば外に出される」「風通しが
悪く、意見を自由に言えない」。オリンパスの社風はこんな
だと著者は評している。

昨年発覚した巨額損失隠し問題を調査した第三者委員会が、
同様の指摘をしているいるのも偶然ではないだろう。
以上は、書評をやまねこが短くまとめたものである。

オリンパスなどの個々の企業に関心があるのではない。そう
ではなく、企業を含むこの国の組織、役所であれ、大学であ
れ、どれも申し合わせたように、同じ体質であることにやま
ねこは驚いているのである。

どの組織も同じように、内部の秩序を最大に重視し、組織体
系の責任者が、然るべき職務を果たしていると主張している。
中間管理職が無能であったり、怠慢であったり、コンプライ
アンスを順守しないことを、組織の中の者がボトムアップす
る機関はほとんどない。

ボトムアップする窓口、オリンパスの「コンプライアンス窓
口」などに注進したら、とんでもない。注進したものがわる
ものにされて、排除されてゆく。

つまりは、その窓口は、社内の異論を取り締まり、異論を語
る者を絞め殺すための落し穴だったのだ。

みなさんもこうした現実と日常的に接触する場に居合わせて
いないだろうか。

オリンパスと同じ体質の組織は、社内の秩序を最大に重視し
ている。上意下達に間違いないことを黙認する社員だけが生
き延びる。社内の各部署の担当者の面子、名誉が最大に重視
されていている。それらが、企業そのものを代表しているか
のように。

上の政策に問題があることに対してアラームを出したり、中
間管理職が政策を実行せず、無能や怠慢であり、あるいは逸
脱を行ってるとの訴えのアラームを出した者は、息の根を止
められる。

こうした組織は、警告のアラームベルの電源を切ってしまっ
たも同然である。小さな警告に耳を傾ける能力を失ったこの
組織は、その瞬間から、崩壊への道を歩む。気が付いた時は
もう遅い。

再び「オリンパスの闇」の書評記事に戻ろう。2審で敗訴し
た会社側は判決を不服として上告。著者は職場で孤立させら
れ、仕事らしい仕事も与えられない。それでも「今日も明日
も明後日も堂々と会社に通い続けるつもりだ」と著者は語る。

こうした社員こそ、「愛社精神」の持ち主なのだ。評者のこ
のコメントにやまねこは100%同意する。

オリンパス、大王製紙、東京電力は、どれも女性役員のいな
い企業です。やまねこ通信174号をご訪問ください。



うらおもて・やまねこでした。

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