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2013年9月29日日曜日

やまねこ通信281号 ああ、恥ずかしい!首相の「大統領ごっこ」、IOC「演説形式」に注目してね!

ああ、恥ずかしい!首相の「大統領ごっこ」、IOC「演説
形式」に注目してね!

@@@やまねこ通信281号@@@

いささか旧聞になりますが、2020年五輪招致がブエノ
スアイレスで開かれたIOCの会議で決定したのは、日本時
間9月8日早朝でした。

IOC委員を前にしての招致演説で安倍首相はにこやかに言
い放ちました。

Let me assure you the situation is under control.

「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をい
たします。状況は、統御されています。東京には、いか
なる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後と
も、及ぼすことはありません」。(首相官邸のHPより)

テレビで何度も流された場面です。
この発言に対して厳しい批判が向けられました。
メルトダウンした原子炉の中は調査の段階にもいたらず、
300トンの汚染水が漏れる事態。

国際原子力事象評価尺度で「レベル3」相当と判定され
たばかりです。

演説直後から「虚偽発言」との国内の批判が相次ぎます。

そればかりではありません。
東電側が、「今の状態はコントロールできていないと考
えている」と語っています。山下和彦フェロー、13日、
民主党の東電福島第1原発対策本部会議の席上。
同原発の汚染水漏れの現状について、「想定を超えてし
まうことが起きているのが事実だ」とも。

原子力規制庁小坂淳彦統括管理官も同会議で「管理すべ
きところを管理できていない」と述べました。

国内の現状とは食い違う発言を首相が対外的にしている。
「演説内容」がフクシマの実態、国の実態を代表してい
ません。

けれど、7年後の原発事故処理完了を首相が「国際公約」
したよと受け止めたらどうでしょう!
外国で語ったこの「公約」の締切は7年後。事故処理の
放置を許さない厳しい目が世界中から注がれています。

首相の「発言内容」を、このように受け止める姿勢を「
ほめ殺し」と言います。政府側が「放置」するネガティ
ブな可能性を奪うのです。


●やまねこが気になるのは、安倍首相英語演説の「発言
内容」ばかりではありません。

気になるのはIOC総会での英語演説の「発言形式」です。

安倍首相IOC演説動画。
首相官邸の動画はこちら。

いくどもテレビで放映されためずらしくもない動画です。

首相はにこやかに会場のあちこちに顔を向け、両手を動
かして発言にアクセントをつけ聴衆に呼びかけています。

首相のこんな表情を初めて見ました。まことに楽しそう
ではありませんか。

英語の発音も練習の跡が見えます。
Let me assure you the situation is under control.

the situationtheの音を出す際、首相の舌先が上顎の
歯の裏に一瞬触れるところをカメラはしっかり捉えてい
ます。

under control「状況は制御下にある」と声に出しながら、
首相は左右の手で子どもをなだめる時のような仕草をし
ます。

英語表現にジェスチャー、ボディーランゲージが伴い手
の動きが滑らか。
時間かけて練習した成果と見えます。
演説の直前まで首相が熱心に練習していたことが伝えら
れています。

メモを見ることなく3分間、首相は微笑を絶やすことなく
英語スピーチを終えました。

首相の「熱意あふれる」スピーチが五輪開催都市の最終
決定に影響を及ぼしたとの評価をロイター通信が直後に
伝えました。

日本の首相としておそらく初めての原稿なしのにこやか
な模範的英語プレゼンテーションの3分間!

けれど、これが果たして、この国の人々にとって望まし
い情景なのでしょうか?
なんか違うなあ!
やまねこは引っかかるのです。

●「演説形式」はまるで合衆国大統領みたい。
「演説内容」はフクシマの現実を反映していないから、
日本国を代表してはいない。

深刻な原発事故についてのホラ話を諸外国の代表の前で
「うまくいってるんだ!」とにこやかに語る首相!
いったい、この人物はどの国の代表なの?

●こう思ったとたん、今を去る10年前、小泉純一郎首相
が、米国を訪問し、当時のブッシュ大統領と意気投合し
たかの身振りとともに、エルヴィス・プレスリーを真似
てギターを弾いた場面が思い浮かびました。

今度の安倍首相の国の実態を「代表しない」にこやかな
英語演説。

「演説形式」を磨くことに熱心のあまり、「演説内容」
がついオーバーになってしまった!!
こんな裏話がひそんでるんじゃないだろうね。
学生のスピーチコンテストならまだしも。
(やまねこには英語スピーチ前の苦労が痛いほど理解で
きます。)

でも、これじゃあ「大統領ごっこ」と呼ぶ他ないでしょ
う!
国際会議で首相が英語スピーチの大統領ごっこ。
どんなに五輪が欲しかったにせよ。

●「「強い日本」。それを創るのは、他の誰でもありま
せん。私たち自身です。(中略)私たち一人ひとりが、
自ら立って前を向き、未来は明るいと信じて前進するこ
とが、私たちの次の、そのまた次の世代の日本人に、
派な国、強い国を残す唯一の道であります」。
183回国会施政方針演説の冒頭です。(25228日)
https://www.jimin.jp/policy/parliament/0183/120157.html

●ああ、恥ずかしい!
「立派な国」、「強い国」を国会で演説する首相が、国
際会議では米国の「大統領ごっこ」さながらの演説?!
こうした仮面の付替えを、この国の首相が必要とする事情
はいったい何か?

やまねこはこのことに関心が沸き起こります。

小泉首相のエルビスのまねっこより、重大なんじゃない?
IOCでの首相演説をみて、やまねこはこう思えてなりません。
数日前の国連総会では首相はすべて日本語で発言した模様
です。

みなさん、どのようにお思いですか?


うらおもて・やまねこでした。




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