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2016年7月18日月曜日

やまねこ通信357号:「落下傘よりけんたさん」エスカレートする愚劣競争、杉尾ひでや勝利の長野モデル

@@@やまねこ通信357号@@@
「落下傘よりけんたさん」エスカレートする愚劣競争

投票・開票日からはや1週間がたった。7月10日9時2
3分。長野県選挙区で杉尾ひでやさんの当選確実が報じら
れた。出た~!当確だ!
SBC放送のニュースがちばん早かった。キャスターだった
杉尾さんの古巣TBSの長野県版である。

Facebookに投稿した。
杉尾ひでやさんが当選確実。本当に本当に良かった。
知恵と勇気ある信州の若い世代の皆さんに励まされました。
どうもありがとう。
全国的には悲しいばかりの情勢。「改憲」の足音がひたひ
た迫っています。これからも力を合わせましょう。

テレビでは杉尾さんが当選の挨拶をしている。長野市の会
場。杉尾さんの目から涙があふれて止まらない。

当選のことばは次のとおり。
「市民の力を結集すれば、できないことはないんです。こ
れからもこの長野モデルを大きく花開かせようではありま
せんか!」

▲2日前の杉尾ひでやは、同じ長野市、夕暮れの駅前で最
後の訴えをし、悔し涙をおさえることができなかった。

「自分が代議士になりたいから長野県を利用している」
「落下傘候補」。さんざん悪口を言われた。
「こんなこと言われて、負けるわけにはゆかない!」声が
ひときわ高くなり、メガネが涙で曇った。

▲全国の一人区に先がけて、野党共闘が決まった長野県。
共産党はすでに立候補を表明していた女性候補唐沢ちあき
を取り下げた。この一件で、共産党の本気度が、全国的に
発信された。

やまねこは、昨年10月の戦争をさせない1000人委員
会・信州が、参議院選の候補者選び選びをする会議に参加
していた。松本市の中華屋さんの2階。何人かの名が上が
っては消えた。湿りがちな会話。その後、暗い思いを抱え
て深夜茅野までドライブした夜のことは忘れない。幾つも
の団体で似通った試行錯誤がなされたことだろう。

やがて、今年1月、TBSのニュースキャスター・杉尾ひでや
氏が、現職引退の北澤俊美議員の公認として出馬すること
が民進党から発表された。決意の日は雪の降る寒いだった
と杉尾ひでやは回想する。

それ以来、1000人委員会・信州が母体となった信州市
民連合が、杉尾ひでやを、民進、社民、生活、共産の野党
連合共通の候補として推薦する道筋をリードした。市民団
体が複数政党の間をつないだのは、この70年の歴史で始
めてのこと。このことで長野県は全国の先鞭を切った。

これが成功したのは、何よりも安倍政権の暴走に激しい怒
りと危機感を抱く県民の思いが後押しをしたからだ。
県民が主役であった。この思いが、市民連合と野党共闘の
連携を支えた。

▲安倍政権のこの2年半の暴走は、昨年9月安保関連法案
の強行採決でその頂点にたっした。首相は質問に応える姿
勢を見せず、まともな審議はなされぬまま時間だけ経過し
た。その挙句に委員会の強行採決。議長発言は騒音のため
聞こえず、議事録も残っていない。委員会のメンバーでな
い筋肉男議員集団が、議長を「かまくら」で取り囲んだ。
こんなことが国会で起こり、国民が注目している。ところ
が数の力でなすすべがない。国会の外には、数万人の市民
が詰めかけていた。

ところが強行採決後の9月以後、安倍政権は、野党の臨時
国会要求を無視した。テレビは安保関連のことを報道しな
くなった。今年4月の新番組から国谷裕子、古舘伊知郎、岸
井成格が姿を消した。市民の怒りの矛先が見えなくなった。
けれど怒りが消えたわけではなかった。

▲長野県区1人区は自民党現職と、野党連合の統一新人が一
騎打ちする最重要選挙区だ。小泉進次郎、岸田外相、下山博
文元文科相などの安倍側近が続々長野県入りした。
安倍首相は選挙中、長野県に3度もやってきた。人口5.5
万人のやまねこの住む茅野市駅前にも。

自民党の今回の公約は、アベノミクスのさらなる強化。一方、
アベノミクスは破綻してると杉尾ひでやは断固たる批判を展
開してきた。

▲3度目に長野入りした安倍首相は、長野駅前の街宣車の上
に登って何を語っただろう?
「落下傘より、けんたさん!」
「落下傘より、けんたさん!」

長野県生まれでない杉尾さんを「よそ者」として排除するフ
レーズを、街宣車で並んで立った安倍首相、若林けんた候補、
それに衆議院議員・務台俊介が、片手を振り上げ何度も叫ん
だ。

駅前に集まった長野市民は、幼稚なこのフレーズを何度も聞
かされた。
務台俊介衆議院議員は、駅前で飛び上がっては「落下傘」ご
っこをしてみせた。

▲この子どもっぽい身振りはいったいなんだろう?
まるでイジメっ子集団が、リーダーの命じるままに、イジメ
をエスカレートさせ、どんどん残酷に、愚劣になってゆくの
を見てる思いがした。

▲野党連合が統一候補を立てた長野県民の怒りがひたひた自
公陣営に押し寄せるのを、安倍政権はおそらく感じ取ったの
だろう。追い詰められると、人はその正体を明らかにする。
「落下傘より、けんたさん!」
これが崖っぷちに追いつけられた自公陣営のバカ丸だしの正
体だった。

▲ところで、人口減少が進んでいる全国の地方はどこでも、
子育てする若者たちが移住することを切望している。長野県
の政策は、「よそ者」大歓迎なのだ。

「落下傘より、けんたさん!」が子どもたちの間で反復され
るのではないか。「よそ者」排除の言葉が流行すると困るな。
子育てママパパたちは、気が気ではなかったと思う。

▲ところで長野県出身ってどんなことだろう。若林けんた候
補は、長野県で学校教育をいちども受けておらず、その経歴
HP上では隠蔽し、小中高の教育歴を書かないでいる。故郷
に同級生がいないのだ。高校は都立新宿高校である。「よそ
者」排除の圧力は、若林候補をも追い詰めていたのだ。

敗戦後、涙を流す若林候補。前回の初当選はいわば指定席だ
った。自民党の前議員だった父の引退後の後釜として当選。
厳しい選挙は今回が初めてだっただろう。
もしも6年後に立候補するんだったら、若林候補、「よそ者
」攻撃だけは止めたらいいよ!

▲開票結果がつぎつぎ放送されている。長野の若いNHK男性
アナウンサー、杉尾さんの名前を言う時に何度も噛んでいる。
若林と言ってしまう。若尾さんとも言ってるぞ。
杉尾の名を語ってはならないとの「禁句」でがんじがらめに
なってるんじゃないだろうか?何か変だな。

▲やまねこたちが、それぞれの立場、それぞれの仕方で応援
活動をしてきた、杉尾ひでやさんが当選を果たしました。
民進党公認、反自公政権です。
思いを共にしてくださったみなさんに深く感謝します。

▲沖縄、福島で、閣僚が落選したことを聞いて、ホントに良
かったと思った。
鹿児島知事選挙が同日に行われ、新人の三反園が自民の現職
を破った。余震がひどかった熊本地震でも停止をしなかった
川内原発のある鹿児島県。県知事が大きな影響力をもっている。

▲結果は自公勢力が2/3を占めた。改憲の発議が可能となった。

▲東京都議選では鳥越俊太郎が立候補した。当選した杉尾ひ
でやから励ましを受けたのだ。長野モデルが東京都知事選に飛
び火することを願っている。

開票日の翌日書こうと思ったこのやまねこ通信。ところが思い
がけぬ疲労で、一日に何度も爆睡。年は争えないね。
ああ、ごしてえ! ああ、くたびれた!
こうして選挙後の一週間が終わったのでした。



うらおもて・やまねこでした。

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