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2011年8月31日水曜日

「福直澄太河」の脱原発超党派協力体制を呼び掛けよう!

@@@@やまねこ通信132@@@@

まだ8月。
秋の到来はまだ目にはつかない。けれど風の音を聞いてびっくりす
ることがある、と古人が歌に詠んだ。
やまねこの棲む地域では、樹木の上空を吹く風の音がすっかり秋の
音である。

  福島瑞穂と菅直人
「脱原発、一緒にやりましょう。大歓迎でいつでも党首に」と、内
閣総辞職した菅直人首相に対して福島瑞穂社民党党首が呼び掛けた。
福島党首は、菅首相の「浜岡原発停止要請、原発へのストレステス
ト要請、保安院の経産相からの分離、有難うございました」と原発
対応を激賞した。(毎日831日)

菅首相は返事はしなかったものの、HPで「再生可能エネルギー促
進はライフワーク」と語り植物エネルギーの開発をめぐり『植物党』
を作りたいと伝えている。

ちょうど一月前の731日である。「みんなのエネルギー環境会議」
第1回が諏訪東京理科大学を会場に開かれた。福島社民党党首も参
加し、会場に飛び入り参加した菅首相は『植物党』の構想を語った
だった。

脱原発の方針を鮮明にしている福島瑞穂、菅直人、自民党の河野太
郎。さらに総裁選に出馬した馬渕澄夫氏(氏の脱原発活動について
は後述)、この4人を軸にして、脱原発超党派協力体制が作れない
だろうか!題して、「福直澄太河」ふくちょくちょうたいが、「福
は直ぐさま大河を澄ませる」。幸先の良いネーミングだ。

  馬渕澄夫という脱原発政治家
「民主党代表選への出馬を目指す馬渕澄夫前国土交通相は24日、文
化放送のラジオ番組で、東京電力による福島第1原発事故の損害賠償
を国が支援する枠組みを定めた原子力損害賠償支援機構法について、
「私が代表、首相になれば、今の東電の救済スキーム(同法)をす
ぐに見直さないといけない」と述べました。その上で、東電につい
て「法的整理に踏み込まないといけない」と指摘した。

原発事故を起こした東電の賠償額の上限を定め、東電を温存する施策
が目下進行している。馬渕澄夫の語ったのは、この施策を見直し、東
電を法的管理下において徹底的に資本を洗い直すというものである。
税金で被害者補償をする前に責任企業の利益を洗い出すことは当たり
前じゃないの、とやまねこも考えている。

  馬渕澄夫、小出裕章さんの「地下ダム」対策に共鳴。
京大の小出裕章さんが、事故を起こした原子炉の放射性物質が地下に
漏れ出し、地下水に混入、海洋に流れ出すことを懸念して、地下に巨
大なダムを作ることを提案した。原発担当の馬淵澄夫首相補佐官はこ
れに共鳴した。ところが東電がダム建設費用、1000億円を惜しん
だため、この計画は宙に浮いている。東電は株主総会の直前、汚染防
止に費用を掛けると株が下落することを恐れたのだった。

620日毎日新聞、山田孝男解説委員執筆の論説「風知草」で伝えら
れた。(以下、引用)
70081000c.html

題して「株価より汚染防止だ」。
そろそろ原発以外の話題をとり上げたらどうかと心配してくださる
向きもあるが、そうもいかない。福島原発震災は収束どころか、拡
大の兆しが見える。この大事と無関係に政局を展望することはでき
ない。
 
京大原子炉実験所の小出裕章助教(61)といえば、いま最も注目
されている反原発の論客の一人だ。原発が専門だが、名利を求めず、
原発に警鐘を鳴らし続けてきた不屈の研究者として脚光を浴びてい
る。

その小出が16日、テレビ朝日の番組に登場し、こう発言して反響
がひろがった。
「東京電力の発表を見る限り、福島原発の原子炉は、ドロドロに溶
けた核燃料が、圧力鍋のような容器の底を破ってコンクリートの土
台にめり込み、地下へ沈みつつある。一刻も早く周辺の土中深く壁
をめぐらせて地下ダムを築き、放射性物質に汚染された地下水の海
洋流出を食い止めねばならない」

さっそく政府高官に聞いてみると、いかにも地下ダムの建設を準備
中だという。
ところが、さらに取材すると、東電の反対で計画が宙に浮いている
実態がわかった。原発担当の馬淵澄夫首相補佐官は小出助教と同じ
危機感を抱き、地下ダム建設の発表を求めたが、東電が抵抗してい
る。

理由は資金だ。ダム建設に1000億円かかる。国が支払う保証は
ない。公表して東電の債務増と受け取られれば株価がまた下がり、
株主総会を乗り切れぬというのである。
筆者の手もとに、東電が政府に示した記者発表の対処方針と応答要
領の写しがある。6月13日付で表題は「『地下バウンダリ』プレ
スについて」。バウンダリ(boundary)は境界壁、つまり
地下ダムだ。プレスは記者発表をさしている。

対処方針は5項目。要約すれば「馬淵補佐官ご指導の下、検討を進
めているが、市場から債務超過と評価されたくないので詳細は内密
に」だ。

応答要領の中でも愚答の極みは「なぜ早く着工せぬ」という質問に
対するもので、ぬけぬけとこう書いている。
「地下水の流速は1日5センチメートルから10センチメートルな
ので、沿岸に達するまで1年以上の時間的猶予があると考えている」

記者発表は14日のはずだったが、東電の株主総会(28日)の後
へ先送りされた。
福島原発の崩壊は続き、放射性物質による周辺の環境汚染が不気味
に広がっている。
株価の維持と汚染防止のどちらが大切か。その判断もつかない日本
政財界の現状である。

政府当局者の一人がこう言った。「あの(太平洋)戦争でなぜ、指
導部が的確、着実に作戦を遂行できなかったか。いまは分かる気が
します」
誰も信じない、東電の「収束に向けた工程表」という大本営発表が
続いている。

菅直人を東条英機になぞらえる向きがある。万事に細かく部下を怒
鳴るからだ。東条はサイパン島陥落で敗戦濃厚となった1944年
7月退陣。後継首相の小磯国昭が8カ月半。さらに鈴木貫太郎に代
わり、原爆を二つ落とされ、天皇の聖断を仰いで戦争は終わった。

なぜ、早く停戦して戦禍の拡大を防げなかったか。無理筋の戦局打
開案が飛び交い、常識が見失われ、国の意思決定が遅れたからだ。
今と似ている。いま最も大事な課題は放射能汚染阻止だ。空論に惑
わされず、核心へ集中するリーダーシップが求められている。
(以上山田孝男「風知草)

掲載の620日から2カ月が経過し、民主党総裁選に、馬渕澄夫が出
馬。

事故後の放射性物質拡大を防止する「地下ダム」を、経費が大
きいために一時停止にし、その事実の公表さえしなかった東電。こ
の東電が最も恐れ、それゆえ経団連米倉会長が最も警戒したのは、
馬渕澄夫が民主党総裁に選出されることであっただろう。

  野田佳彦新総理に。
しかし民主党は野田佳彦という「調整型」の党首を選んだ。この国
では何か進めたい政策を積極的に持たない人物がリーダーの座に着
た時、それを「調整型」と呼んでいる。多くの場合、八方美人に
なりがち。

問題多い前原、小沢のマウスピース海江田を避けたのは一定の集合
知が働いたのだろうか。

野田佳彦が党首に決まったことで、脱原発に対する抵抗勢力、なり
ふり構わぬ原発維持論者、米倉日本経団連会長が大喜びをしている。

「経団連の米倉弘昌会長は29日、民主党の新代表に野田佳彦財務
相が選出されたことについて、「お若いのでもう少し待たなくては
と思っていた。ジャパンドリームの実現だ」「かねてから税制・社
会保障に通じた非常に安定した行動力のある政治リーダーだと思っ
ていた」と明かした。菅直人前代表との違いを聞かれ、「要するに
首から上の質が違う」と言及、野田氏はきちんと政策を立案し、野
党とも協議していける人物との見方を強調した」。


3.11後、米倉日本経団連会長から賞賛される政治家ほどに不名
誉なものはあるまい。野田首相の今後の足取りに強い注意を払う必
要があるだろう。

ところで、「馬鹿野海原」とのフレーズを民主党の党首選候補者の
顔ぶれを揶揄して、やまねこが発信したのは前々号のこと。その後、
馬渕澄夫氏がこの括りに相応しくないことをお伝えし前号で馬渕氏
に謝罪した。

ところが「馬鹿野海原」のフレーズが独り歩きし、グーグルで検索
すると約255,000件がヒットする。浮遊する言葉を流通させ
るウェブ上のパワーが驚くべきものであることを、実感した次第で
した。

うらおもて・やまねこでした。

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