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2013年4月21日日曜日

やまねこ通信267号 安倍首相の矛盾に満ちたつぎはぎ作文「女性の活躍」演説


@@@やまねこ通信267号@@@

安倍首相が日本記者クラブで講演し「成長戦略」の全
体像を発表した。

「女性が輝く日本」とのタイトルの下、「女性の活躍」
が成長戦略の中核であると語る。

首相は原稿を朗読してゆく。

M字カーブ解消のため、出産子育て後の女性の職場復帰。

待機児童の早期解消に向けての「横浜方式」の採用。

「子育てもキャリアとみなす」制度。子育て後に大学、専
門学校での勉強も可能に。
これはIMFのラガルド専務理事が、「オランダに学ぶと
いい」として、日本に対して促した政策だね。

財界に対しては、「企業に少なくとも一人の女性役員を」
と要望。

一人とはみみっちいなあ!もっと大きなアドバルーンを揚
げたらいいじゃん!とやまねこは思うが。

安倍首相は最初に述べた。
「女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがち
です。しかし、私は、違います。「成長戦略」の中核をな
すものであると考えています」。



●「女性の活躍」が「成長戦略」のための手段だという。
だったら、今後、いくらかの成長が達成され、手段が不要
になった暁に、女性労働をどのようにするつもりだろう?

好況時は職場に、不況時は家庭にと、女性労働は景気動向
によってスポンジのように使い捨てされてきた歴史がある。

その折に、女性を職場から遠ざけ、家庭に追い込むために
普及された言説が「三歳児神話」である。1970年代の
ことである。

安倍首相は、「3年間抱っこし放題での職場復帰支援」と
の、賞味期限切れの亡霊を持ち出している。どんなブレー
ンが背後に控えているのだろう?

先日の、NHKの「子育て」特集番組で、「3年間はお母さん
がしっかり育てないと、将来、違いが生まれますよ」と語
る高齢男性の言葉を聞いて、スタジオの参加者全員が、ど
っと笑った。

発言者だけ、笑われる理由が分かっていないようだった。
この高齢男性と、50代の安倍首相が同じことを語っている。

●女性の雇用を語るためには、社会政策の文脈が不可欠で
あり、ジェンダー平等、雇用機会の均等、同一賃金、同一
労働の原則抜きでは語れない。

父と母が両方で子育てするとの話題がほとんど語られない。
「子育ては母親」の思い込みから少しも出ていない。

「母だけが子育てする体制」は、30年前のオランダであ
る。それを改め、男性と女性の協力で子育てをする体制に
改善したので、オランダは子どもの数が増えるようになっ
た。

子育て後の女性の職場復帰はいいとしても、すでに出産後、
退職した女性はどうしたらいいのだろう?
その結果、非正規雇用になった女性が、第二子、第三子を
出産する際には、どのように役立つのだろう?

女性に非正規雇用が多い実態が、ひとつも語られていない。

むしろ、非正規雇用に責任を与えて管理職の道を開き、夫
婦二人で半々稼ぐオランダモデルを導入したらいいのに。

若者たちの非正規雇用が多い中、「3歳になるまでしっか
り母が抱きしめて育てる」ことのできるカップルが、一体
どれほどあるのだろう?

恵まれた大企業のケース、一定以上の水準の勤労者しか
目に入っていない模様。

首相の政策は、どこかで聞いた「女性の活躍」エピソード
を、幾つもつぎはぎした、素人の作文である。
連日のように、メディアが報道する、若い世代の実態が少
しも踏まえられていない。
シングルマザーへの言及が一つもない。

結局、選挙対策に女性を利用しようとの下心ばかりが目に
付く。一時しのぎでやり過ごす姿勢である。

問題は、こうした一時しのぎのつぎはぎ政策ではく、しっ
かりした社会政策をもつ政党が、どうやったら参院選で得
票できるかである。

民主党は、子育て、男女共同参画については、良い政策を
持っていた。ところが、折角の長所を生かす前に、あまり
にも稚拙な政治手法で、自滅した。

有権者たるものは、このことをしっかり見ておかねば。

参院選候補者に対し、ちの男女共生ネットは、公開質問状
を出す予定である。

来週土曜日、4月27日、
第7回勉強会、「子育てどうやったらいいの?」を開きます。
安倍首相演説は、反面教師として役立つかもしれない。


以下、安倍首相、日本記者クラブでの原稿を読みながらの
40分を超える演説。
次のURLは動画付きです。
http://ameblo.jp/yoko-jyoti4/entry-11514480752.html

 (上記URLからのコピー、ペースト転載)。
現在、最も活かしきれていない人材とは何か。それは、
「女性」です。

女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちで

す。しかし、私は、違います。「成長戦略」の中核をなす
ものであると考えています。

女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただく

ことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動
力だ、と確信しています。

6.女性が輝く日本
さて、ようやく、私の成長戦略の中核である「女性の活躍」

について、お話させていただきます。

「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が

占める割合を30%以上とする」という大きな目標がありま
す。

先ほど、経済三団体に、「全上場企業において、積極的に

役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役
員に、一人は女性を登用していただきたい。」と要請しま
した。

まず隗より始めよ、ということで、自由民主党は、四役の

うち2人が女性です。こんなことはかつてはなかったことで
あります。2人とも女性の役員では、日本で最も注目される
女性役員として活躍いただいています。そのおかげかどう
かはわかりませんが、経済三団体からはさっそく前向きな
回答をいただけました。

ただ、足元の現実は、まだまだ厳しいものがあります。

30
代から40代にかけての女性の就業率がガクンと下がる、

いわゆる「M字カーブ」の問題については、少しずつ改善
の傾向にありますが、ヨーロッパの国々などと比べると、
日本はまだまだ目立っています。

いまだに、多くの女性が、育児をとるか仕事をとるかという

二者択一を迫られている現実があります。

(待機児童解消加速化プラン)
「待機児童」は、全国で25千人ほどいます。深刻です。

しかし、「全国で最も待機児童が多い」という状況から、

あの手この手で、わずか3年ほどで、待機児童ゼロを実現し
た市区町村があります。「横浜市」です。

やれば、できます。要は、やるか、やらないか。

私は、待機児童の早期解消に向けて、このいわば「横浜方

式」を全国に横展開していきたいと考えています。

まず、これまで国の支援対象ではなかった認可外保育施設

についても、将来の認可を目指すことを前提に、力強く支
援します。

これまで支援の対象としてこなかった20人未満の小規模保

育や、幼稚園での長時間預かり保育も、支援の対象にしま
す。

さらに、賃貸ビルなども活用して、多様な主体による保育

所設置・新規参入を促すとともに、事業所内保育の要件を
緩和して、即効性のある保育の受け皿整備を進めてまいり
ます。

保育士も確保しなければなりません。

保育士の資格を持つ人は、全国で113万人。しかし、実際に

勤務している方は、38万人ぐらいしかいません。7割近い方
々が、結婚や出産などを機に、第一線から退き、その後戻っ
てきていません。

保育士の処遇改善に取り組むことで、復帰を促してまいり

ます。

このような総合的な対策である「待機児童解消加速化プラ

ン」を用意しました。

「子ども・子育て支援新制度」のスタートは、2年後を予

定しておりました。しかし、そんなに時間をかけて、待っ
てはいられません。状況は、深刻です。

そのため、今年度から、このプランを直ちに実施します。

平成2526年度の二年間で、20万人分の保育の受け皿を整

備します。さらに、保育ニーズのピークを迎える平成29
度までに、40万人分の保育の受け皿を確保して、「待機児
童ゼロ」を目指します。

その実現のためには、保育の実施主体である市区町村にも、

同じ目標に向かって、本気で取り組んでもらわなければな
りません。

政府としても、最大限の努力を行い、意欲のある市区町

を全力で支え、「待機児童ゼロ」を目指します。

(3年間抱っこし放題での職場復帰支援)
妊娠・出産を機に退職した方に、その理由を調査すると、

「仕事との両立がむずかしい」ことよりも、「家事や育児
に専念するため自発的にやめた」という人が、実は一番多
いのです。

子どもが生まれた後、ある程度の期間は子育てに専念した

い、と希望する方がいらっしゃるのも、理解できることです。

現在、育児・介護休業法によって認められている育児休業の

期間は、原則として1年となっています。しかし、これもア
ンケートをとると、1年以上の休業をとりたいという方が、
6割にものぼっています。子どもが3歳ぐらいになるまでは、
育児に専念したいという人が、3割もいるのが現実です。

「女性が働き続けられる社会」を目指すのであれば、男性の

子育て参加が重要なことは当然のこととして、こうしたニー
ズにも応えていかねばなりません。3歳になるまでは男女が共
に子育てに専念でき、その後に、しっかりと職場に復帰でき
るよう保証することです。

そのため、本日、経済三団体の皆さんに、法的な義務という

形ではなく、自主的に「3年育休」を推進してもらうようお願
いしました。

ただお願いするだけではありません。「3年育休」を積極的

に認めて、子育て世帯の皆さんの活躍の可能性を大いに広げ
ようとする企業に対しては、政府も、新たな助成金を創るな
ど応援していこうと思います。

ブランクが長くなると、昔やっていた仕事であっても、つい

ていけるかどうか不安になることもあるでしょう。

こうした皆さんが、仕事に本格復帰する前に、大学や専門学

校などで「学び直し」できるよう、新たなプログラムも用意
することで、「3年間抱っこし放題での職場復帰」を総合的に
支援してまいります。

(子育て後の再就職・起業支援)
子育てに専念する経験も、貴重なものです。私は、むしろ、

子育てそれ自体が、一つの「キャリア」として尊重されるべ
きものですらある、と考えています。

実際、自らの経験に基づいて、「外出先でも授乳できる授乳

服」を開発して会社を立ち上げ、20億円規模の新たな市場を
開拓した女性もいらっしゃいます。

子育てを経験した女性ならではの斬新な目線は、新たな商品や

サービスにつながる「可能性」に満ちたものです。

ぜひともその経験を、社会で活かしてほしい、と強く願います。

そのため、育児休業ではなく、一旦会社を辞めて、長年子育

てに専念してきた皆さんにも、いつでも仕事に復帰できるよ
う応援していきます。

長年子育てに専念してきた皆さんに対して、新たなインター

ンシップ事業や、トライアル雇用制度を活用して、再就職を
支援していきます。

さらに、子育ての経験を活かし、この機に自分の会社を立ち

上げようという方には、起業・創業時に要する資金援助も用
意します。

仕事で活躍している女性も、家庭に専念している女性も、す

べての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝けるよう
な日本をつくっていきたいと思います。

●以上、保守の最右翼、安倍晋三首相も、「女性の活躍」を
語る必要ができたほどに、社会の中心軸が変化している。

結果、新自由主義の「女性の活躍」と、新保守主義の「女性
は子育て」の思い込みをまぜこぜにし、矛盾に満ちたつぎは
ぎ作文の一丁上がりとなった。

けれど、こんなつぎはぎ作文でなくて、もっと水準の高い論
戦をして欲しいなあ!!

「こんなもんで、いいんだよ」と、自民党安倍首相サイドの
低レベルの下心、うすら笑いが見え隠れ。

他の政党の努力を期待しよう!!

  
うらおもて・やまねこでした。

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